9月のイギリス旅行 (3)リヴァプール2016/10/10

 午後6時過ぎ、予定通りスタバに現れたUとタクシーでユーストン駅へ急ぎ、7時過ぎのリヴァプール行きに飛び乗りホッとしたのも束の間、聞き取れないイギリス英語の理解できない理由により出発は1時間遅れだった。8時発のもあるのにどうするの?と乗務員に質問したら"We go together."と答えが返ってきた。へえ〜。
11時過ぎにリヴァプール・ライム駅到着。タクシーでようやくホテルに着いたが、ツインのはずの部屋がダブルで部屋替えを申し入れ、フロントから遠く離れた迷路の向こうにある薄暗いけどインテリアはポップな部屋に落ち着き、長い長い一日が終わった。

 とは言っても、ぼやいてはいられません。疲れを知らない旅行人格。こんなに楽しいことがあるんだから。
 晴天の2日目、まずはマージー川沿いのウォーター・フロントを散歩した。
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そしてThe Beatles Story 物館へ。
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世界遺産のアルバートドッグ 散策後はマジカルミステリー・ツアーのバスに乗る。
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するとこんな場所へ連れて行ってくれるのだ。ここはペニーレーン
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ストロベリー・フィールズ
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ジョンがミミおばさんと暮らした家
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ポールが幸福な少年時代を過ごした家
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 もちろんジョージやリンゴの家も、それぞれが通った学校、教会なども回る。ツアーバスは世界中から来た人々で満員で、みんな熱心に解説を聞き、流れる曲に合わせて歌っていた。メンバーが生まれ育った場所を訪ねると、"In My Life"の歌詞が改めて胸に染みる。
 解散は市内中心部。レコードデビュー前の4人が演奏していたマシューストリートのキャバン・クラブ近くでバスを降りた。近くにはジョンの銅像、エリナー・リグビーの像もある。all the lonely people...
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 Saturday with the Beatles も予約しておいた。でも、正直に書くと、このバンドは全くダメ。8:00pmスタートのはずが9時過ぎに始まった上に、呆れるほど下手くそだった。前座のほうがよかったよね、と言い合いながら5曲で退散した。
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9月のイギリス旅行 (4)湖水地方2016/10/10

 当初はリヴァプールからエディンバラへ直行するつもりだった。が、旅慣れたUが湖水地方にも立ち寄れるはずと主張する。調べてみると、本当だ、ちょうどよい電車もツアーもある。Mountain Goat Toursのビアトリクス・ポター・ツアーに申し込んだ。

 3日目の朝、リヴァプール駅の掲示板でプラットホームを確認し、駅構内で簡単な朝食を取り、ローカル電車に乗った。
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途中駅で1等車両のある列車に乗り換え、
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曇ったり晴れたり霧が出たり、目まぐるしく変わる天気を気にしながら、
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11時過ぎ、ウィンダミア駅に到着。坂道を下るとすぐインフォメーション・センターがあり、荷物を預けた(予約済み)。ここへツアーバスが迎えに来てくれる。
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 村を小一時間歩いてから、ツアーバス(小さなバン)に乗り込んだ。参加者は他にイギリス人カップル1組だけ。あとでわかったが、湖水地方のうねうね続く細い道路は観光バスでは通れない。
 ポターが16歳の時、家族で初めて避暑に訪れたレイ・キャスル。ダウントン・アビーのような貴族の館ではなく、リヴァプールの裕福な医師が建てた。
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曇りだが、丘の上から眺める湖が美しい。
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 4時間半のツアー中最大の見所は、ビアトリクス・ポターの家ヒルトップ。毎日大勢のピーター・ラビット・ファンが訪れる。「ナショナル・トラストで最も人気のある場所だ」とガイドのマークが説明してくれた。周囲の農場4000エーカーポターが購入し、遺言でナショナル・トラストに寄付された。実際に住んだ家は道の反対側にある。
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「おかあさんは、むすめのモペットとミトンには、ひらひらえりをつけたよそゆきのエプロンをきせました。それから、たんすのひきだしをあけ、うつくしい、きゅうくつなふくをたくさんだして、むすこのトムにきせようとしました。」
(こねこのトムのおはなし いしいももこ訳 福音館書店)
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 3年前に亡くなった親しい友人はピーター・ラビットの大ファンで、いつか湖水地方に行きたいと言っていた。ポターの住んだ場所を歩きながら、心の中でLに何度も話しかけた。
 ビアトリクス・ポターの気持ちに近づくことができるような記念碑もあった。婚約後一ヶ月で亡くなってしまった編集者ノーマン・ウォーンのために建てた石碑だ。映画『ミス・ポター』では、ユアン・マクレガーがこの心優しい婚約者役を演じている。「幸せな日々を偲んで」と彫られた石碑は木々とシダに囲まれ、ひっそりしていた。
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 ところで、湖水地方を印象深いものにしたのは、風景だけではなくツアーの人々の親切だった。インフォメーション・センターの女性がわたしたちの乗るエディンバラ行き列車の出発時間に合わせて、荷物をロッカーから運んでおいてくれたばかりでなく、ガイドのマークはそれをバンに乗せて駅まで送ってくれたのだ。ツアー終了は4時半、わたしたちだけでは15分後の電車にとうてい間に合わなかっただろう。
 話が戻るが、ツアー最後はウィンダミア湖のクルーズ。対岸ではマークおじさんが時計を見ながらわたしたちを待っていてくれた。
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9月のイギリス旅行 (5)エディンバラ2016/10/10

 エディンバラはいつか訪れたい町の一つだった。行ってみれば長い間の期待をはるかに超える素敵な町で、せっせと歩いた距離は(今チェック)2日間で25km、多分新記録だろう。

 4日目の朝、市中心部のプリンスィズ通りにあるホテルから、エディンバラ城へ坂を上ってゆく。ニュータウンもよい。オールドタウンもよい。通りも建物も趣きがあり素晴らしい。どこも観光客でにぎやかだが、何か落ち着いた空気が漂っている。
エディンバラ城入り口
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城壁内側からの眺め
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毎日午後1時に空砲が撃たれるワン・オクロック砲
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ロイヤルマイルにはもちろんバグパイプの響きが
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それから、必ず足を伸ばしたいこのコーヒーハウス。ハリー・ポッター・ファンが列を作り、J.K.ローリングの席に座るのは大変だろう。通り過ぎる二人。
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王族が時折休暇を過ごすというホリールード宮殿を、韓国からの修学旅行生がにぎやかに歩いてゆく。わたしたちはここでアフタヌーンティーをいただきました。
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それからロイヤルマイルを戻って以前教えた学生Davidと会い、町で一番小さなパブに連れて行ってもらった。話をしながらビールを飲み、気になっていた伝統の食べ物ハギスを食べる。
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 5日目は、もう歩きたくないUの提案でバス1日券を購入。でもカールトンヒルに行くにはやっぱり歩かなくちゃ。ネルソン記念塔にも登らなくちゃ。
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そして、スコットランド国立博物館と美術館内部もひたすら歩き回り、独立の士ウィリアム・ウォレス(お話がかっこよ過ぎる『ブレイブ・ハート』)やロバート一世、ケルト文化、ジェームズ・ワット、ウィリアム・モリス、クローン羊ドリー、ヘンリー・レイバーンのスケートをする牧師、ラファエロ、エルグレコ、ゴヤ、ゴーギャンを見て、外に出ればエディンバラの町はやっぱり美しいのだった。
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この日の夕方列車に乗ってロンドンに戻り(所要時間は4時間)、キングズクロス駅9と3/4プラットホームで記念撮影をした。マフラーはもちろんグリフィンドールね。