写真家Carl Van Vechten2012/01/29 23:41

 ラングストン・ ヒューズ自伝を読んだのは、ずいぶん昔、二十歳の時だ。10何年か前「極私的」アメリカ文学ファイルに彼の名前を加える時 、ちょうどよい画像はないかとまだ情報量の少なかった当時のネット上を探し、写真を貼り付けた。
 それから何年か後、シアトルの本屋で同じ写真家による写真はがきを買った。ハーレム・ルネサンス時代の若いL.ヒューズだ。その後、ビリー・ホリディや若いカポーティの写真もこの写真家のものだと知った。

 今では、写真家カール・ヴァン・ヴェクテンがジョージア・オキーフやスティーグリッツとも親交があったこと、さらにはガートルード・スタインの遺稿管理者だったことも、wikiなどで瞬時に知ることができる。リンクを辿れば、この場にいながら、イェール大学やNY公立図書館他にある数多くの写真を閲覧できてしまう。
 その便利さに驚嘆しつつ、ヴェクテンが資料の一部でなく何か特別なことと感じられるのは、何年も気にかけていたからこそなのだとも思う。

 膨大な情報とリンクは、繋がり合い絡み合って巨大な雲のように漂っている。粒を拾い集めてそこに意味を見いだすのは、もちろん雲の下にいるわたしだ。

小マグナム届く2011/05/20 23:53

 金曜午前、再編成されたアジア系超初心者クラスを教えてエネルギーを使い果たし、ヘロヘロになって帰宅した。
 と、宅配ボックスにamazonから書籍便が届いている。例のmonkey businessポール・オースター特集と小さいマグナムの本だ。うふ、週末の楽しみができました。

 2年くらい前まで、写真のことは全然知らなかった。今でもほとんど知りませんと胸を張って言えるが、ジョージア・オキーフの夫だったA.スティーグリッツや、ヨセミテを撮ったA.アダムス、パパ(ヘミングウェイ)とキャパなどを通して、少しずつその面白さがわかりかけてきたところ。
 マグナム東京支社リンクしておきます。 ここには素晴らしい写真がたくさん。

MoMAのiPhoneアプリ2010/08/20 22:34

 NY近代美術館のアプリケーションに圧倒されている。
ダウンロードしてから2時間、お皿も洗わず見続けているが、まだまだこの先には数えきれない作品が詰まっているようだ。

 調べてみたら、32,000作品にアクセスできるらしい。
もちろんどれも手の中に入ってしまうサイズなのに、作品そのものの持つ力は変わらない。


アプリの完成度が高い。
 Tourで各フロアをブラウズし、代表的な作品を鑑賞することも、あるいはArtから入り、ジャンル別、アーティスト名・年代別分類、またはキーワード検索で作品を探し出すこともできる。
 オーディオとテキストの解説付きで見る、ゴッホ、ピカソ、ルソー、ミロ、ダリ、マチス、カンディンスキー, etc.
オキーフ、G.マーフィも検索してみた。
 さらにこのアプリは、iTunes Uにも連動している。今年6月まで行われていたらしい、カルティエーブレッソン展の解説を入手した。例のサン・ラザール駅裏の水たまりの写真だ。ぴょん。

 美術と言えば、
8月の東京は暑かったが、マン・レイ展とシャガール展に出かけた。アプリを入れて予習しておいたオルセーのほうは余りの人波に断念。パリで見ることにしましょ。いつのことやら、予定はないけど。

長い冬休み2010/01/12 23:57

 数えてみたら、この冬休みは今日まで2週間以上もあった。それなのに、一体何をしていたんでしょ?
 記憶にあるのは、リビングルームの陽当たりのよい場所を、本とiPhone(Y! music用)とひざ掛けを持ってIKEAのポエングと共にズルズル移動する老女のような自分である。晴天の日が多かったし、冬の午後の長い日差しに暖められてぽかぽか、極楽でありました。

 それから、写真家関連のDVDを見た。アニー・リーボヴィッツとロバート・キャパはどちらも面白かった。年が明けてから、予定通りカルティエ=ブレッソンの映画を見に写真美術館へ行った。

 そして、図書館でこれを借りた。MAGNUM MAGNUM。多分大きい本だろうと予想したけど、まさかこれほどの大型本だとは。
 図書館から3ブロック、両手に抱えてよろよろ運びました。568ページ、重さは6.5kg。
これはなかなか読み終わりませんぞ。ページをめくる、写真を見る、文章を読む、考える、、

 そのままそこに在るものの最高の瞬間を捉えるカルティエ=ブレッソンと、大がかりなセットを準備して最高の瞬間を作るアニーは、作品を作り出す方法が対照的だ。
彼らに共通したのは、撮影した数時間後、被写体だった偉大な人たちが暗殺されたことだろう。ガンジーとジョン・レノン。その大きな喪失を記録する役割を担った、ということか。

 スーザン・ソンタグがアニーのパートナーだったという話もいい。アニーが破産の危機にあったと最近の新聞に出ていたけど、蓄財に励む人じゃなかったからなんでしょう。何とか財産の没収は免れたらしい。

 キャパとスタインベック、ヘミングウェイ、ピカソとの関わりなども興味深い。彼と他のマグナムの写真家については、もう少し読んでみたい。1月の宿題ね。

「木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン展」行きました2009/12/23 11:36

 G校午前授業とY校忘年会の間にぽっかりと数時間。きのう、恵比寿の東京都写真美術館へ「木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン 東洋と西洋のまなざし」を見に行った。

 1940-50年代の木村伊兵衛作品は、きっと私の父が見たであろう日本の風景だ。銀座、上野、浅草、、。昭和の景色はどこか埃っぽく、日差しは強く、陰影がくっきりしている。
 横山大観って、細身だったんですね。谷崎さんはけっこう普通の中年男だ。父が愛読した永井荷風のポートレートもあった。

 カルティエ=ブレッソンの30年代はG.スタインのパリ、ガルシア・ロルカのセビーリャだ、と考えながら見た。
 10代の美しいカポーティが、険しい顔をしたステーグリッツ(J.オキーフの夫)の隣りに掛かっていた。
 サン・ラザール駅裏の水たまりをぴょんと跳んだ時、山高帽の紳士は60年後の日本人(私)がその姿を幾度もしげしげと眺めることになるとは、思いもしなかったことだろう。右足が水たまりに到達するまでの、永遠に長い一瞬だ。

 映画『記憶の瞬間』のほうは、1月5-15日に期間限定で上映される。
前売り券買いました、はい。