ヘミングウェイの妻たち2014/01/18

 リクエスト後数週間、図書館から『ヘミングウェイの妻』The Paris Wifeが回って来た。ちょうど昨晩からヘミングウェイとゲルホーン』(HBO制作テレビ映画)を見始めたところだ。
 いいタイミングのように思うが、「パリの妻」は4人の中の最初の妻ハドリーであり、ニコール・キッドマン演じるゲルホーンは3番目のマーサだ。

 ハドリーが語る若いヘミングウェイとのラブ・ストーリーは、ノンフィクションノヴェルという性格からか、原田マハ的に甘い。
 映画のほうも見せ場作りが優先し、キャパが「崩れ落ちる兵士」をパパ・ヘミングウェイやマーサと一緒の前線で撮影したりするので、ひっくり返って驚く。さらにパパは崩れ落ちた兵士を看取り、その銃を携えてベレー帽かぶったまま人民戦線の兵士に加わり、叫びながら走ったりするのだ。おまけに、それを見たマーサが銃弾飛び交う中を、ヘミングウェイの名呼びつつ追いかける。どわーっ。

 と、ちょっと無節操な作品ふたつだけど、読み終わった時、見終わった時には、それぞれの角度からのヘミングウェイがくっきり見えて来るのだろうとも思う。
モンティ・パイソンの秀才マイケル・ペイリンの"Hemingway Adventure"や、今村楯夫先生の『ヘミングウェイの流儀』など、どれを読んでも面白いのは、もちろんこの大作家の魅力によるものなのだ。