詩人がいない2017/01/22

 トランプの大統領就任式を一通り見て、あれれ、詩人がいない!と思ったが、調べてみると、共和党の場合はこれまでも詩の朗読はなく、必須項目ではないようだ。そうだったのか。


 思い出してみれば、就任式をテレビで見始めたのはつい最近、2009年のオバマ大統領の時からだ。活字で読んだクリントン大統領就任式(1993年)のマヤ・アンジェロウ強い印象が残っており、必ず朗読があるものと思い込んでいたケネディ大統領就任時ロバート・フロストが最初で(86歳という高齢だったため原稿が見えず、別の詩か即興詩を披露)、以来5人の詩人が壇上で自作の詩を読んだという
 とにかく詩は大事でしょ、人は言葉で作られているんだから、というようなことが上のサイトに書かれている。そして、ウォルト・ホイットマンの詩を読んだらどうなの、という提案があった。

 年末年始恒例日向でうとうと読書、この冬は『名編集者パーキンズ』からの流れで『異神の国から 文学的アメリカ』(金関寿夫 南雲堂)やヘミングウェイとフィッツジェラルド書簡集などを読んでいた。金関先生のホイットマン論にちょうどこんな一節がある。

「ホイットマンはアメリカの保釈保証人だ。アメリカが危機に瀕すると必ずホイットマンが蘇ってくる」と言ったのは、今世紀アメリカの大詩人エズラ・パウンドだ。つまりアメリカ人は、時代を超えたアメリカの理想を力強い声で歌い上げたこの詩人を、なにかにつけ思い出すからである。p.220

 「トランプに就任の詩がないなら、自分たちでホイットマンを読もう」というサイトもあった。

 そうそう、一番好きなホイットマンの名言
"Be curious, not judgmental."