機内誌のカーヴァー特集2018/04/28

 先週、バンコクから一時帰国中の娘とウズベキスタンへ行って来た。その記録も書いておきたいが、今引きつけられているのは、利用した大韓航空の機内誌Beyond4月号にあったレイモンド・カーヴァー特集だ。

Carver

 14ページに及ぶ special of the month は韓国の翻訳家 Koh Young-beom 氏とコラムニスト Baxa, Kim Seul-gi 氏他によるもので、カーヴァーの経歴から始まり、『頼むから静かにしてくれ』『愛について語る時に我々の語ること』『大聖堂』論へと続く。
 短編「ささやかだけれど、役に立つこと」の解説がよい。焼きたてのパンが、救いようのない現実に直面した夫婦に差し出される。心底忘れたい苦しい記憶を持つ誰にとっても、それはささやかな希望の薄明かりなのだ。

 カーヴァーの後にはフィリップ・ロス『ヒューマン・ステイン』、トマスピンチョン『V.』、そして Kim Keong Kon 氏のリチャード・ブローティガン論が載っている。今調べたのだが、Kim Keong Kon 金聖坤先生米文学を専門とする著名な文学評論家のようだ韓国でもサリンジャーやソール・ベロー、アップダイクなどが翻訳出版されたのだろう(多分)。そう言えば、韓国の学生から"Cathedral"のペーパーバックをもらったことがある。現代米文学は日本と同じように紹介され、受け入れられたようだ。

 ブローティガンのアメリカの鱒釣り』は絶版になりかけたところをカート・ヴォネガットの口添えのおかげで1967年に再版され、広く読まれるようになった、とある。寝ても覚めてもブローティガン!だった70年代を思い出す。原文の魅力を際立たせる藤本和子さんの名翻訳は、日本語表現に新しい風を吹き込んでくれた。ピンクの表紙の本はかなりくたびれて、今もわたしの本棚にある。ずいぶん前(Wikiがなかった頃)にまとめたブローティガン資料 は連休中にリンク先をチェックし updateするとしよう。

Brautigan

Korean Airのinflight magazine "Beyond"は韓国語と英語で書かれている。
Beyond eBookもあるようだが、今日現在リンク先はうまく開かず残念。

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