メイン州の画家たち(第13次遠征隊#4)2014/10/12

  ヴァーモント州のシェルバーン博物館で、アンドリュー・ワイエスのSoaring(滑空)を見た。手前の部屋に並んだグランマ・モーゼス作品でふんわり緩んだ気持ちが、たちまち冷やされ、きりりと(嫌なものではない)緊張感を帯びた。

soaring

  アンドリュー・ワイエスと言えば『クリスティーナの世界』だろう。よるべない孤独感と同時に、精神の気高さが描かれているという。空高く飛ぶワシから伝わってくるのもそれなのか。

  旅行の最終日、ボストン美術館に着くと、ジェイミー・ワイエス展が開かれていた。意外なことだが、アンドリューの息子はファクトリー時代のアンディ・ウォーホルと親しかったそうだ。

jamie&andy
andybyjamie

  エドワード・ホッパー、ロバート・マックロスキー、そしてアンドリューとジェイミー・ワイエス父子(さらに祖父のNCも)、何の予備知識もなく好きなものを眺めているうちに、メイン州の画家が少しずつ繋がってきた。荒れた海を描いた19世紀末のホーマーも、そう言えばメイン州だった。
オキーフやジェイコブ・ローレンス、ポロック、ポップアーティストたちとは異なる、写実的「アメリカ」は強靭で誇り高く、寡黙だ。

jamieW

コメント

_ wakizaka ― 2014/11/14 17:03

ウィンスロー・ホーマー、E・ホッパーの水彩画も好きなのでブログに書きましたが、ほんと、おっしゃるようにみなメイン州ですね。米国リアリズム
水彩画はイギリスから渡ってきてまず東部で根づいたのでしょうか。
題材に野性動物や船などが好まれるのもうなづけますね。勉強になりました。また、ときどき訪問させてください。

_ dragonfly ― 2014/11/16 21:11

wakizawaさん、初めまして。こちらこそ、勉強させていただいています。旅行後に「ワイエスファミリーの水彩画」を拝読したのです。メイン州のごつごつした自然が、アメリカンリアリズムを育てたんでしょうか。

この秋、DCのナショナル・ギャラリーでは、父アンドリューの展覧会が開かれていますね。ワイエス一家の画風研究が進んでいるようです。
ありがとうございました。またお邪魔させていただきます。

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