読んで旅するための本2018/02/12

 ジャック・ロンドンについて調べようと、本棚の奥からまた"Oxford Illustrated Litarary Guide to the United States"を引っ張り出した。450ページあるこの大判の本は1982年の出版で、全米各都市にある文学者ゆかりの場所が紹介され、写真や引用も豊富だ。作家の経歴が丁寧に解説されている項目もある。改訂版は出ていないから、今では貴重な資料と言えるかもしれない。
 けれど、時代は変わる。
昨日、ラフカディオ・ハーンが滞在していたという住所をgoogle mapに入れてみたら、高速道路が通っていた。文学史跡も、開発の波間に消えていく。もう読まれなくなりほとんど忘れ去られた作家も、気の毒だけど、少なからずいるだろう。
 2008年に買ったNovel Destinationsには、去年第2版が出ている。文学散歩の本について何度か書いた記憶があるが、そろそろ新しいガイドブックが必要?検討しよう。



 最近の出版物には、たいていデジタル資料リンクが記載されている。kindle版電子書籍なら、もちろんリンク先の資料に簡単に移動する。かつ、電子書籍のほうが安価なことが多い。
でも、説明をよく読んでおこう。kindleは簡易版で(関連資料はリンクで済ます?)、ペーパー版だけに写真や図版が含まれることもあるようだ。
旅先に持参するなら電子版、でもページをめくる楽しさが捨てがたい印刷版、どちらを選ぶか、悩ましいところだ。

Marc Antony?2018/02/24


ancientrome

 去年の夏、塩野七生さんの大作『ローマ人の物語』第1巻に取りかかったが、全くのちんぷんかんぷん。3分の1も読まないうちに撃沈した。その昔世界史の授業をぼんやり過ごしたせいなのか、それともすっかり忘れてしまったのか。いずれにせよ、まるで基礎がない者の軽率な試みだった。
 子供達が使った世界史教科書や写真の多いローマ本数冊、ヤマザキマリさんのテルマエロマエ全巻を読んで出かけた旅行の後、本村凌二さん他の新書に取りかかった。どれもこれも同じようだった固有名詞の位置がようやく定まり、まだ中はスカスカだが大まかな流れが見えてきた。

 タブレットで読める無料の"Ancient Rome"(ノートルダム大学)もダウンロードした。箇条書きの読みやすい概説で写真も多く、簡単なQAもついている。なかなかよい参考書だ。Punic Warsがポエニ戦争、Pompeyはポンペイウス、Marc Antonyはマルクス・アントニウスという英語表記が時々ピンとこなくて、マーク・アンソニーってJ.Loと結婚してた歌手?などと、低次元の連想もしているが。
 『ローマ人の物語』、準備ができたらいつかきっと読みましょう。

 付記:
 これを書いた1ヶ月後、AmazonPrimeで超大作ドラマ"ROME"が見られるようになった。史実とは異なるけれど、映像と音でローマ世界が広がっていく。男の中の男プッロ。ちゃらんぽらんなマーク・アンソニーもいい味出してます。