12月のペナン5日間 ― 2025/01/07
ペナン旅行の計画を立て始めた時、必ずしようと思っていたことがある。マレーシア・ラクサを食べること、17年前に教えたK君に会うこと。
K君のいた2007年の初級クラスは少人数で学生が確か10人、旧校舎の教室は小さく、エアコンの代わりに冷風扇が置いてあった。
会話の練習で人数が足りない時には、その冷風扇、愛称「エアコン君」が誰かとペアになり、シュールなオリジナル会話を作ったりする楽しいクラスだった。
今、教室記録の写真を探し出してみると、R2D2っぽいエアコン君を取り囲むようにして、様々な国からの学生たちが笑っている。
そのクラスにいたとりわけ愉快で心優しい青年がペナン出身のK君で、フェイスブック上のつながりがずっと続いており、ペナンに行くなら絶対に会わなくちゃ、と思っていたのだ。
けれど、旅行の連絡をする直前に、K君は亡くなっていた。
なんて悲しい残念なことだろう。
弟さんよると、とても進行の早いガンだったという。お願いして、お墓参りをさせていただいた。
そんな12月のペナン5泊だが、幼なじみMとの旅行に娘も合流して、街歩きはわいわいにぎやかだった。写真を何枚か置いておこう。
島の北部、海沿いのホテルに宿泊した。アプリGrabで車を呼び、ジョージタウン市内やナイトマーケットに移動。時間がゆっくり流れていた。
プラナカン・マンション 絢爛豪華な邸宅

世界遺産の旧市街には、数多くのストリートアートがある。
美しいブルーマンションは、中国出身の実業家が19世紀末に建てた家だ。
もちろん行きましたとも、ラクサの有名店 うまい!

Jettyと呼ばれる水上集合住居の壁にもアートがあった。
なるほど、リユース ― 2024/10/22
今年も細々と、オンラインのプライベートレッスンが続いている。
ありがたいことだけど、あらら大変、来週から始まるレッスンは「みんなの日本語初級2」指定だ。困った。しばらく前に、もう使わないだろうと思うテキスト類をごっそり処分してしまったのだ。今さら新品は必要ない。何とか安く手に入れられないものか。
アマゾン、ブックオフのサイトには希望価格のものがない。それで、遅ればせながらメルカリに登録してみた。
始めてみれば便利で、なかなか面白いものですね。
日本語教科書が目的だったのに楽しくなって、ふらふらとPendleton(ネイティヴアメリカン好きなので)を2枚購入し、続いて手持ちのバッグやら服やらを売りに出してしまった。
LLBeanトートバッグ1点お買い上げ!うふふ。
さらに調べてみると、本はアマゾンを通して時々購入しているバリューブックスに、便利な買取サービスがあるらしい。というわけで、現在、部屋の隅に売れるかもしれない/もう読まないかもしれない本が山積みになっている。
リユースはSDGsなのだ。CO2削減なのだ。なんて、いきなり目覚めたらしいけれど、実はまだ教科書を買っていません。どうするんだ。
2022その後 ― 2022/11/22
人が動き出し、予想に反して日本語の仕事が細々と続くことになった。
「勤労意欲なし」と本音/わがままを言うと、周囲は
「使ってもらえるうちは働いたほうがいいよ」
というわけで、夏に中国人&ベトナム人対象のオンライン・セミブライベート・レッスン。
秋からY校の対面授業を週1回、他校からのオファーで、アメリカ在住の中上級学習者をオンラインで週2回教えている。
それ以外に今年は何をしたのだろう。
夏、家族でバンコクの娘を訪問した。
それから、水回りのリフォーム(キッチン、洗面所、浴室、トイレ)、網戸補修5箇所、
自分の部屋用エアコン、ベッド、サイドテーブル買い替えなど。
「色々しているね」と子供たちに言われ、
「そう、老後の準備」と答えたら
「もう老後じゃん」
そうだったのか...。
2008年に間取り変更工事をした時も、ここに記録を載せた。
今年のリフォームはこんなふう。
茶色のキッチンを27年間使用した。写真ではきれいだけど、扉の鏡面が劣化し角が割れていた。
新しいキッチンは白、壁面に標準仕様ではないマグネットパネルを貼っていただいた。
収納が引き出し式に変わって、老後の作業が楽になりましたよ、はい。
旅行というもののまっとうな動機 ― 2021/12/16
8回契約のオンライン・プライベート授業が、今日終わった。
関西地方で2年間のJETプログラム参加経験があるAさんは、JLPT N2合格済みであり日本文化にも詳しい。どんな教材を使えばいいのか、毎回ない知恵を絞った。N1レベルの聴解問題、語彙、使えるN2文法、短文作成、ディクテーション、マンガサイト利用の漢字ゲーム、速読、そして読解。
使用した上級学習者向け読解問題の中に、村上春樹の『辺境・近況』の一節があった。読んだはずだが覚えていないこんな部分。
=========問題=============
指示語を問う
ポール・セローのある小説の中で、アフリカにやって来たアメリカ人の女の子が、なぜ自分が世界のあちこちをまわりつづけることになったかについて語るシーンがあった。
(中略)
本で何かを読む、写真で何かを見る、何かの話を聞く。でも私は自分で実際にそこに行ってみないと納得できないし、落ち着かないのよ。たとえば自分の手でギリシャのアクロポリスの柱を触ってみないわけにはいかないし、自分の足を死海の水につけてみないわけにはいかないの。
(中略)
そして彼女はそれをやめることができなくなってしまうのだ。エジプトに行ってピラミッドに上り、インドに行ってガンジスを下り、、、そんなことをしてても無意味だし、キリないじゃないかとあなたは言うかもしれない。でもさまざまな表層的理由づけをひとつひとつ取り払ってしまえば、結局のところ<それ>が旅行というものが持つおそらくはいちばんまっとうな動機であり、存在理由であるだろうと僕は思う。
<それ>は何を指しているか。
1 自由になりたいという欲求
2 旅を続けたいという欲求
3 現実的な感触への欲求
4 無意味な行動への欲求
========問題 ここまで=========
コロナ時代、どこへも行けない旅好きなわたしたちの飢餓感は、つまり、現実的な感触への欲求が本や写真や話では満たされないことによるのだろう。
ミシシッピ川の源流ミネソタ州アイタスカ湖の冷たく澄んだ水と、河口にあるニューオリンズの泥んこ水に手を浸して、なぜあんなにも深く満足したのか、
飛び続けていた時には振り返る暇もなかったけれど。
半年ぶりの授業、それから ― 2021/10/16
半年ぶりにお声がかかり、今週、秋学期のクラス授業とオンラインの(アメリカ在住者)プライベート・レッスンが始まった。ずっと気ままに過ごしてきたので、使われていなかった脳の部分が慌てふためいている感じ。どちらも週一回だけど、緊張する時間があるのはよいことかもしれない。
眠気が覚めたついでに、17日に終了する横尾忠則展に出かけた。
おお、何と濃密濃厚な極彩色の横尾ワールド!
600点に及ぶ大迫力の個展 GENKYOにぐるぐる巻きにされ、へとへとになって帰宅した。もちろんそうした刺激もよいことでしょう。
二月の教室、二月のベランダ ― 2021/02/05
春が近づいているとは言え、気をゆるめるわけにはいかない。今学期も当然オンライン授業だ。ただし(週1日だけ細々と担当している)Y校の場合、半月に一度登校日が設けられている。学生たちはその日に宿題をまとめて提出し、翌日から使用する配布物一式を受け取り、各課の確認テストを受けるという段取りだ。
昨日が登校日だった。用心、用心。がっちりマスク。緊張しながらJR線に乗った。
けれど、久しぶりにクラスメートと会った学生たちはうれしそう、母国語のおしゃべりが止まりません。お〜い。
確認テスト後「最近の気になる言葉」を各自発表した。ぴえん、ソーシャル・ディスタンス(カタカナ難しいよ、ベトナム語で何?)、三密、ソロキャンプ、、、
Zoom画面では仮面ライダー・アイコンのR君が、「あつ森」の説明をしてくれた。

立春を過ぎたベランダでは、11月に種を蒔いた春菊とほうれん草が今年も柔らかく育っている。ささやかなプランター菜園だが、サラダや青みに少し加えるのにちょうどいい。秋の散歩道からやって来たローズマリーも何とか根付き、小さな新芽が見え始めた。
たったそれだけの二月 ;-)

2019年秋の教室 ― 2019/10/26
課末テスト中のY校、研究クラス

ケータイが生活の必需品になって10年、留学生たちも肌身離さずスマホを持ち歩いている。授業中に言葉の意味を調べるなど便利ではあるが、こっそりゲームやSNSに興じる者もいなくはない。使用をどの程度自主性に任せるのか、授業中は一切使用禁止したほうがいいのではないか、、検討されつつも結論は出ないまま過ぎている。
が、アジア系のY校今学期からのルールがこれ。
「テスト中はケータイを預けよう」
教務の先生方が考案したボックスを使うことになった。
2年ほど前、AirDropでテストの正解を配布した再履修の学生がいたっけ。解答ファイルはたまたまAirDropをONにしていたわたしにも届き、思わず吹き出したものだ。その労力を勉強に使いたいよね。
ここ最近、中上級以上のクラスを教えることが多くなった。日本語能力試験JLPTのN1、N2文法や、大学進学を目指す学生の日本留学試験EJU試験対策を担当している。首都圏だけでなく地方の大学も留学生を積極的に受け入れるようになり選択の幅は広がったが、増え続ける学生数にどの大学の倍率も高い。大学入試には日本語だけでなく、一通り勉強しなくては解けないレベルの総合科目の試験もあって、日本語学校だけでなく塾に通う学生も少なくない。受験シーズン開始の秋だ。しっかり取り組んで、明るく卒業できますように。
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