Y校 連想してます2009/09/02

 夏休みが終わり、Y校4クラスもいよいよ中級だ。『みんなの日本語』の後に使うのは『ニューアプローチ』、国内の日本語学校で最近主流になっているのは、多分この組み合わせだろう。

 第1課3日目、本文「色のイメージ」をCDで聞き、キーワードを拾いながら大意取りの手順を示し、段落ごとに短く要約する。流れをつかんだところで、色々な色から連想するものを話し合う。中国とモンゴルの花嫁衣装や、モンゴル人学生が生まれて初めて今年見た海の色など、活発な意見が続いた。
 さて、次は精読だ。誰が読みますか?
見回すと、一人机に伏せている学生がいる。オウスイ君、どうしたの? 寝てる?
「連想してます」

 飄々としたオウスイ君の存在は、教師にとってありがたいものだ。
 後半の会話練習は1分半ほどのダイアログ「電話で伝言をお願いする」だが、ペアで発表しているうちに時間が足りなくなった。えーと、最後はジョさんとオウスイ君、はいお願いします。
「もしもし、オウさんのお宅ですか」
「いいえ、ちがいます。まちがい電話です」
「えっ、、、すみません」
 基本パターンと全然違うが、おかげで早く終わったようだ。先生、さようなら〜。また来週。みんな笑いながら教室を出て行った。

iPhoneにしたけど2009/09/06

 これがあれば旅行にパソコンを持って行かなくてもいい?という思いつきと、8月31日まで使えるクーポン2枚の妖しい力により、うかうかと買ってしまったiPhoneである。

 もちろん便利。早い。楽しい。15年以上のマックユーザーだから、特に混乱することなく使えるようになった(と思う)。
でもねー、旅行に持って行けるの?
 ローミングオフにしてWiFiでつなげば接続は無料になるけど、問題はパケット料金なのだった。もし家にいるのと同じように、アメリカでサファリを使い、メールを取っていたら、、、0の数に卒倒するであろう金額が請求され、この先数年は旅行に行けなくなるのかも。想像するだに恐ろしい。ぞぞぞ。

 Softbank販売員の説明を私はちゃんと聞いていんだろうか。 台風接近のあの日は、電車の遅延情報に気もそぞろだった。Docomoの違約金でクーポン割引は消えちゃったし。これはいい買い物だったのかどうか...

 <重要>追記 
と書いたところ、コヨーテさんから的確なアドバイスをいただきました。ありがとうございます。
3G接続でなければ、やっぱり海外でも存分に利用できるとのことです。
(コメント参照 ↓ ) 無知で恥ずかしいけど、書いてよかった。

Frank McCourt & Dave Barry2009/09/10

 フランク・マコートは、今年の七月に亡くなった。アイルランド、リメリックでの悲惨な子供時代を描いた『アンジェラの灰』もその続編の'Tis『アンジェラの祈り』も悲惨さの極みというか権化みたいな話なのだが、どこか突き抜けていて私は好きだった。

 彼とマイアミ・トリビューンのユーモア作家、デイブ・バリーが知り合いだとは知らなかった。どれを読んでもひたすらおかしいデイブ、そのバンドにフランク・マコートが参加したらしい。

 iTune Uで偶然手に入れたのは、去年のマイアミ・ブックフェアでの講演だ。もちろん、そういうブックフェアがあることを昨日まで知らなかった。Dave Barryで検索したら、Miami Dade College2008のムービーが見つかり、もちろんそういう大学も知らなかったが、見ていたらフランク・マコートが出てきたのだ。わあ、楽しい。

 『アンジェラの灰』は新潮文庫になっているね。3冊目の悲惨な話Teacher Man: A Memoirはまだ読んでいない。読書の秋、、。

G校 漢字クラス2009/09/12

 
 G校総合日本語コースの学生は、それぞれの漢字習得レベルに応じて週2日1時間半、10クラスほどある漢字クラスのどこかで漢字を勉強する。つまりこの時間、学生たちは文法クラスとは違う教室に移動することになる。
 一定の期間学ぶと、学内検定受験に必要な漢字の知識が得られるので、希望して検定を受ける。合格すれば次のレベルに上がる、という仕組みだ。

 私は今期、その0初心者クラスを担当していた。漢数字から始め、基本の5レッスン年月火水木金土日山川大中小などを、不定期に加わる新入生を混ぜ込み?ながら、繰り返し教えていく。のんびり屋、異端者、文句たれ、口にしたくない日本語でふざけ合う輩など、なかなか面白いクラスだった。

 最終日の教室。前日期末試験が終了した学生たちは、全くやる気がない。予測されたことでもあり、準備した新聞を1ページずつ配った。わかる漢字を見つけて○で囲み、紙に書いてふりがなをつけること。意味を説明すること。はい、発表ね。

 既習は50文字程度だが、けっこうがんばりました。六本木は共通の使用語彙らしい。

コクゾウムシとの静かな戦い2009/09/23

 米びつに残っていた5キロほどのお米にコクゾウムシが発生したのは、1ヶ月半ほど前のこと。調べてみれば、虫がつくということはお米が無農薬で作られたからでもあり(実家からもらってきた)、毎日丁寧にザルを使って一定量のお米をとぎ、冷静に対処してきた。
 学生時代、小さい蛾の発生に慌てふためき、残っていた20合ほどのお米をなぜかその日のうちに全部炊いて、30分くらい離れた町に住んでいた兄に食べきれないほどのおにぎりを届けた私はもう過去のものである。コクゾウムシなんか怖くない。噛むわけでも痒いわけでもないんだから、落ち着いてお米を全部食べ切りましょ。

 ようやく空になった米びつ(スチール製)の拭き掃除をしたのは、1週間ほど前のこと。時々完璧主義の主婦は、狭い米入れ口に手を突っ込んで、幾度もせっせと中を掃除した。これでだいじょうぶ。食べるお米がなければ、きっといなくなるはず。

 ところが、一体どこに潜んでいるのか、コクゾウムシたちはその後も毎日三々五々とキッチン、さらにはリビングルームを徘徊している。こいつらは何を食べて生きているんだ?キッチンペーパーでつかまえてはゴミ箱へ捨て、冷蔵庫や米びつも移動しては、いつもより念入りに床掃除しているのに。
 2009年秋の連休、どこにも出かけない私の机の前の壁を、一匹のコクゾウムシが平然と這って行く。この戦いはいつ終わるのだろうか。