4月のできごと①James Taylor 'Never Die Young'2024/04/27

  4月6日、幼なじみMとジェイムス・テイラーのコンサートに行った。
1970年"Sweet Baby James"アルバムからのファンなのだ。1日限りの公演を逃すわけにいかない。
 出だしはやや不安定だったけれど、すぐに変わらない温かい声が戻ってきた。
ハンチングはいつからかぶるようになったのだろう。前回2010年、キャロル・キングと一緒だった武道館Troubadour Reunion Tourの時、帽子をかぶっていたかしら。

James

 どの曲もどの曲も心に沁みていく。
6曲目の'Never Die Young'を歌う前、76歳のジェイムスは
「若死するな、ってもう僕には遅いけどね」
と冗談を言った。ああ、本当に若いうちに亡くならなくてよかった。
 ジミヘン、ジャニス、ジム・モリソン、サム・クック、ボブ・マーリー、、夭折したミュージシャンの名前なら次から次へと列挙できる。ロック・スターではないけれど、今でも時々聴きたいジム・クロウチやエヴァ・キャシディもずいぶん前にいなくなってしまった。
 静かなアンコール曲は、親しかった小澤征爾さんを偲ぶものだった。
You can sing this song, when I'm goneの歌詞は今、72年"Mud Slide Slim"当時のラヴソングとは別の意味合いを持つのだ。
セットリスト↓
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 コンサートの晩うちに泊まったMにくっついて、翌日電車に乗り、故郷の町へ行った。
お互いの家のお墓参りをしましょう、と二人で歩いてゆくと、お寺の桜がちょうど満開だった。
大きな本堂の前に堂々とした古木が、その奥に幼稚園がある。黄色い帽子をかぶったわたしたちが、その桜の下を通ったのは半世紀以上前(正直に書けば65年前!!)のことなのだ。すごいですね。
Never die young、若死しなくてよかった、うん。

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Billy Joel その他1月あれこれ2024/01/31

 能登半島地震と羽田の航空機衝突炎上事故で始まった2024年、
気がつけばもう月末だ。
心休まらない日もあったけれど、振り返ってみれば、個人的には、ありがたくも平穏な1月だった。

 ビッグイベントは、Billy Joel One Night Only in Tokyo🎵
70代のピアノマン健在、なんと2時間半も歌い続けてくれたのだ。すばらしい!
 セットリストには入っていなかったが、"She's Always Woman"が好きだった。78年秋の風景を思い出す。
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 1月にしたこと:
10日過ぎに近くの神社へ初詣に
娘に頼まれていたおみくじは大吉だった。
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サワードウ(自然発酵パン種)をスタート
ブクブク発酵の状態をチェックして、時々フィード(ぬるま湯と全粒粉を加え、室温に置く)。
手間のかかりそうな本格ブレッドはまだ。
簡単にできるマフィンを3回焼いた。
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日向でうとうと読んだ本6冊、プライベートレッスン(香港)4回、
元講師仲間や近所の友人とのランチ計3回、通院(定期検診)が2回、お散歩2回、赤十字の義援金寄付は1回、、、
昨日久しぶりに出かけた公園には、もう梅の花が咲いていた。
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秋の中欧旅行③プラハ2023/10/24

 2012年の初夏、友人と3人で「プラハ、チェスキー・クルムロフ&ウィーン」個人手配ツアーに出かけた。あの時1日だけど市内を歩いたから、だいたいの地理は覚えているよねと、ホテルに荷物を置き、気楽に旧市街広場まで歩いて細い横道に入ったら方向がわからなくなった。周辺の道路は狭く、複雑に入り組んでいるのだ。
こういう場合、わたしはしばしば、むやみに動いてGoogle mapを混乱させてしまう。急ぐわけではない。勘に任せよう。

 しばらく歩いたところでジェラートを買い、食べながら日の沈む方角へ進むと、エルベ川、チェコではヴルタヴァ川、またはモルダウ川に出た。川岸でストリート・ミュージシャンが歌っている。カレル橋を目指して北へ向かうと、プラハ城が近づいてきた。
美しい夕暮れだ。
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 その後3泊の滞在中に行ったのは、
もちろん、観光客で大混雑のプラハ城 Prague Castle
ここもにぎやかだったユダヤ人地区 Prague Jewish Quarter 
それから 国立博物館 National Museum このホールで撮影された映画があるらしい。
ドームへ上って、ヴアーツラフ広場を見下ろした。
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そして、フランツ・カフカ博物館  The Franz Kafka Museum
薄暗い館内に、カフカの生涯と作品の展示が並ぶ。読んでも読んでも先に進めない『城』の動画が流れている。
カフカのKはまだ彷徨っている Kafka’s K is still wandering.というフレーズが頭に浮かんだ。
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そして、自由の象徴として、いまや世界数カ国にあるというレノンの壁 Lennon Wall
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ペトシーン展望台タワーは、ケーブルカーで登った丘の上にあるタワーから眺めるプラハの町の美しいこと!
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 ストラホフ修道院 入り口から図書室「哲学の間覗き込む絵画館は閉まっていた。
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市民会館スメタナ・ホール Obecní Dům へ Music from Movies というコンサートを聴きに行った。ボヘミアン・ラプソディが素晴らしかった。
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 映像の世紀バタフライエフェクトなどが、この町の歴史を教えてくれた。
民主化革命が滑らかに行われるために、人々がどれほどの迫害と弾圧に耐えなければならなかったか。初代大統領ハヴェルとルー・リードの交流にも胸を打たれた。
それは"Walk on the wild side"より後なのか、、とついさっき関連事項を調べていたら、クリントン時代、ホワイトハウスでハヴェルのために開かれた晩餐会の席にはカート・ヴォネガットも招待され、ルー・リードの演奏を聴いたらしい。みんな揺れ動く歴史の中にいるのだ。
 移動日の週末、旧市街広場ではウクライナ支援の集まりが開かれていた。

パンデミック前後のコンサート2023/04/19

 コロナを挟んで今年の3月にもやって来たようだが、わたしがスティングのライブに行ったのは2019年の10月だった。
"Shape of My Heart", "Fragile"が深く静かに染みていったのを覚えている。
"Fields of Gold"は夭折したEva Cassidy版で、さらに好きになった曲だ。
スティングのオリジナルが聴けてよかった。

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 さて、先週、ボブ・ディランのコンサートに出かけた。わたしにとって、パンデミック後初のライブだ。
 3年前の来日は直前に中止され、チケット払い戻しになったから、ようやく実現した「ノーベル文学賞受賞後初」のツアーということになる。わくわく。
 でもね、さすが、ディラン。聴衆に全く媚びません。
聴きたかった"Mr. Tambourine Man","Like a Rolling Stone"も、パティ・スミスが感動的だった "Hard Rain's a-Gonna Fall"も演奏してくれない。ましてや「時代は変わる」も「風に吹かれて」も、歌うわけがない。
 先の見えない不安な時代だからこそ聴きたい曲がたくさんあったのに、彼は最新アルバムを中心に自分が歌いたい曲だけ次々に歌って、あっさりステージを去って行った。
うーむ、大物だ。

 (ステージの写真撮影は禁止。スマホはロック付き専用ポーチに収納させられた。)
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映画ハリエットとアレサ2019/11/02

 授業準備が終わった深夜、FB経由でトレバー・ノアの「ザ・デイリー・ショー」とスティーヴン・コルベアの「ザ・レイト・ショー」にアクセスする。
南アフリカ出身のトレバーは外側から天衣無縫にアメリカ社会に斬り込み、率直なトークが矛盾をあぶり出していく。内側にいるスティーヴンは、巧みなひねりでフラストレーションを笑いに変える。

 昨夜見たレイト・ショーのゲストは、映画『ハリエット』主役のシンシア・エリヴォだった。20ドル紙幣はどうなるんだろうという話も出た。この後アレサ・フランクリンの映画に主演するとのことだ。ケネディ・センター名誉賞授賞式でのアレサ画像が温かい。
 そしてシンシアのすばらしい歌声、スティーヴンと一緒に涙してください。


 レイト・ショーの音楽ディレクター、ジョン・バティステも豊かな才能の持ち主だ。グリニッジ・ヴィレッジに聴きに行きたいものです。

国立アフリカ系米国人歴史文化博物館 (第18次遠征隊#1)2019/07/09

 ワシントンDCのスミソニアン博物館群は無料で自由に入場できるが3年前に開館したNational Museum of African American History and Cultureだけは時間指定券が必要だ。特に夏期ピークシーズンの週末はtimed entry passなしの入場不可。当日の早朝6時半にネット予約が開始される。ということを、出発2週間前に知った。
 DC到着翌日(6/22土)5時半のアラームで目を覚まし、6時半ぴったりにsame-day onlineを開いた。が、何も始まらない。サイトを出たり入ったり、、と10分後、やにわに表示が変わり、おおっと30分枠のひとつをクリックした。でも、先に進もうとしてもはねられてしまう。アクセスが集中しているのだ。別の枠を選んではねられる、また選んではねられる、を繰り返す。そうこうしているうちに小一時間たち、非情にも全時間帯はsold outになってしまった。撃沈意気消沈、、はるばる太平洋を渡ってきたというのに。もう、二度寝しちゃうぞ。でも眠れるわけない。

 第18次遠征隊は、出だしから主目的のひとつがこんな調子だった。うなだれて出かけたフォード劇場。

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 1865年4月14日にここで起きた歴史的暗殺事件の解説を、皆熱心に聞いている。貴賓席は当時のままだ。背後からリンカーン大統領を撃った(俳優)ジョン・ブースは手すりを乗り越えて舞台に飛び降り、驚愕する観客の前を横切って、馬で逃走したのであります。地下には様々な資料、実際の拳銃も展示されていた。興味深い。でも、気持ちは晴れない、、。
 解説が終わりかけた頃、ふと思いついてスミソニアン・サイトに繋いでみた。と、いくつかの時間枠が緑に変わっている。えいっ、正午の枠を確保!

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 首都は青空、たちまち気分は晴れわたり、気温30度の中モール沿いの道をスタスタ移動した。チケットなしで並ぶ列を横目に、セキュリティを通る。受け入れ人数の調節で、指定券を持たなくても運がよければ入館できるのかもしれない。
 夏休みとあって、この後足を運んだどの博物館も、親子連れや校外学習の生徒たちでたいそう混雑していた。とは言え、アフリカ系アメリカ博物館の混み具合はケタ違いだ。
 
 今また博物館資料 the Collection を見れば、感動的なあの3時間がよみがえる。
 L4カルチャー・ギャラリーのMusical Crossroads、サッチモやマイルス・デイビスのトランペット、エラ・フィッツジェラルドのドレス、サム・クック、ジミヘン、レイ・チャールズ、クインシー、プリンス、カラー・パープルのウーピー衣装、およそ人間のものとは思えないダイアナ・ロスとホイットニーの服、、、
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 L3コミュニティ・ギャラリーのアリ、カール・ルイス、ジョイナー、野球やバスケットボール他の数えきれないほど多くの名選手たち
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 リチャード・ライト、ジェイムズ・ボールドウィン、トニ・モリスン、ニッキ・ジョバンニ、、
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 こうした人々がアメリカの音楽、映画、スポーツ、文学を驚くほど豊かな厚みのあるものにしてきたのだ。アフリカ系アメリカ人を抜きにこの国の文化は語れない。その圧倒的な才能と力に胸が熱くなった。


 C1ー3の歴史ギャラリーに入るには、まるで上野の美術館のような、長い列に並ばなければならない。
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  C3 Slavery and Freedom 1400-1877 には時代に沿って奴隷船や奴隷市場、独立戦争、南北戦争当時の資料が並んでいた。ナット・ターナーの聖書、ジョン・ブラウンやフレデリック・ダグラスの手紙、そしてハリエット・タブマンのショールに見入った。
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 そこからC2 the Era of Segregation 1876-1968へ移動すれば、隔離政策時代のシットイン・カウンターや電車が置かれ、もちろん公民権運動のMLキングやローザ・パークス、マルカムXが続く。そしてC1の A Changing America 1968 and beyond。"Black is beautiful."を経て、オバマ大統領やオプラ・ウィンフリーの登場は着実な象徴的変化であっただろう。
 ラングストン・ヒューズの "I, too, sing America."が、出口スロープの壁面に大きく書かれていた。

 午後後半は、息子へのお土産を買いに Wizards shop(八村グッズはまだ、ドラフト数日後で当たり前)、航空博物館のライト兄弟コーナー、それからアメリカ美術館と肖像画美術館(夜7時まで)

誰が歌うのか2016/12/14

 BBCサイトに、ドナルド・トランプの大統領就任式で歌うアーティストが見つからず困っているというニュースがあった。
それはそうでしょ。ほとんどのポップスターたちはヒラリー支持だった。「歌う人なんているわけない」というジョン・レジェンド、歌う予定と報道されて「全くありえない」とコメントしたエルトン・ジョンの話などが載っていた。

 先日のマドンナの発言は率直でよかった。しばらくの間、わたしも何か悪い夢を見ているんじゃないかと思ったものだ。

 でも嘆く必要はないのだろう。アメリカには有能で明朗で見識の広い女性たちが数多くいるというニュースもあった。13人の一人に挙げられた民主党 Elizabeth Warren の選挙後のスピーチは、本当に力強く印象的だ。

 ところで、今年のケネディ・センター名誉賞の一人に、ジェームス・テイラーが選ばれている。オバマ氏最後の授賞式は間違いなく素敵なものになるだろう。
去年の授賞式でキャロル・キングの Natural Woman を歌うアレサ・フランクリンは、ただもう圧巻だった。ミュージカル "Beautiful" の場面から始まるこの YouTube 画像、もしまだでしたら、ぜひご覧ください。人は共感しあえる人々のために歌うのだ、もちろん。