モロッコ・ツアーその3(スペイン旅行記#11)2008/01/15

 効率のよさや生産性の高さを旨とする日本人にとって、モロッコは大きな驚きだ。行きの入国手続きの非効率ぶりに呆れた私たちだが、帰りの出国手続きはさらに「時間をかけて」行なわれ、午後7時発のフェリーは1時間以上並んだ私たち数十人を積み残して(7時20分に)行ってしまった。
「ありえなーい」絨緞を買った愛知県の奥さんが叫んだ。
「どうなるの」そのご主人が革の太鼓をたたいて夜空を仰いだ。
この家族はその日、レンタカーでポルトガル内のホテルに戻る予定なのだ。

 次のフェリーは30分後にやって来ると言う。
気を取り直して、一緒に待合室で待った。
フェリーは8時半にやって来た。桟橋に走る私たち。

 ぞろぞろだらだら人が降りてくる。全員出たところで、車が1台ずつ出てくる。係員が時折呼び止めては何やら話す。次の車が出てくる。また止めて話す。中止になったけど、パリ・ダカール用のタイヤを積んだミシュランの車もあった。最後にガタガタ出てきたのは、旧ソ連時代から走り続けているに違いない、ロシアナンバーの軽トラックだった。
車が全部出ると、私たち乗客が(出国手続きは終わったのに)もう一度一列に並んでパスポートを見せ、チケットを渡して乗る。
乗客を乗せる係は3人、一人がパスポートを見る、次の一人がチケットの半券を取る、3人目はただ立っている。それぞれがパスポート見ながら半券を取れば、時間は1/3で済むなんてことは考えたこともないらしい。車が出てくる間にその作業を進められるなんてことも、決して思いつかないのだろう。

 フェリーの出港は10時少し前、タリファ着は10時半、スペイン入国手続きをし、バスを待ち、アルへシラスに帰ったのは0時少し前だった。夕食付きで予約していたホテルは、しーんと静まりかえっていた。

 遥かなるモロッコ、、、