旅行の後半は、残念なほど早く過ぎてしまう。帰国前日カーメルから17マイル・ドライブを通り、またしても数回道を間違えた後、モントレーに入った。ここでの目的は缶詰横丁 Cannery Row だ。春の旅行の時は雪で遅れて見逃したスタインベックの像を、今度こそしかと見なければ。
リベンジである。

　キャナリー・ロウの中心に、ジョンはすっくと立っていた（って、胸像ですけど。）すぐ横で観光客の呼び込みをしていた銀細工店のアルバイト店員が
「ぼくは詳しいんだよ」と言うので
「え？スタインベックに？」と返すと、
「違うよ、キャナリー・ロウにだよ。スタインベックは少しだけ」
「じゃ、彼の作品は？」
ちょっとからかってあげた。

「怒りのぶどう、パール、それからもちろん缶詰横丁、えーと、それから何だっけ？くっそー、全部読んだのに」
いい子だった。

　サリナスのスタインベック・センターでロシナンテ号を見てから、半年たつ。今回はアリゾナのルート66を走ることもできた。楽しい旅行でしたねー。中年の元英文科生２人は、スタインベックを真ん中に写真を撮った。