真世流2006/09/07

 今月はスイスから来たマルセルを、週2回プライベートで教えている。 日本語習得後、某美大でコンピュータ・グラフィックを勉強する予定なのでかなり真剣だ、と思っていたら、けっこうよく遅れて来る。

 友だちと朝5時まで飲んでいたとかで、今日は45分の遅刻だった。気の短い先生だったら、さっさと帰ってしまうよね。教室が涼しいので、私はのんびり本を読んでいたけど。

 持ち時間は45分、形容詞の過去形と比較をものすごい勢いで突っ走った。えいっ。

 帰り際、約束の漢字名を教えた。 この間ライアンには私が命名してあげたが、その後、欧米人の名前を漢字で表記してくれる便利なサイトがあるのに気づいた。

Get Your Name in Kanji

Marcelは「真世流」truth, the world, to flow,, クールですね。 東急ハンズでハンコを作る、とうれしそうだ。 真世流君、来週、遅刻、だめです。いいですか。

眼鏡2006/09/08

 
 駅前の眼鏡屋さんで、鼻の部分の加工を頼んでおいた2つの眼鏡を受け取った。
帰宅後気が向いて並べてみたら、コレクションみたい。
日本では遠近両用がとても高いため、6月のソウル旅行で3つ作り急に増えてしまったが、眼鏡は必需品だ。メガネのおばさんは、運転用サングラス、外出用サングラス、パソコン用眼鏡をなどをかけ替えて過ごす。我ながら難儀な生活だ。

 パーツ加工を頼んだのは、外国メガネがまつげにくっついてしまうからだ。
先週の授業でアレックスに
「アジアンでフラットな顔だからね」
と説明したら、そんなことないよー、と妙に慰められてしまったが、
もちろん鼻が低いからなんですよね。

 つるのない鼻眼鏡をちょんと乗せて、本を読んでいたペグを思い出した。
あれは格好よかったなあ。

自他動詞など2006/09/15

 今週と来週、コリン君の5回限定プライベートレッスンを担当している。
空いた時間を利用し、空いた教室をさまよいながらの3回目。今日は自他動詞の総復習だ。基本の形を確認後、練習問題をしながら、コリン君が言った。
「あー、ルールがぜんぜんわかりません。じどうし、たどうしはルールがありますか」
「はい、でもルールがたくさんありますから、ルールそのものを覚えるのが大変です。ひとつずつ練習したほうがいいです」

  あがるagaru  あげるageru
  つくtsuku  つけるtsukeru
  まわるmawaru  まわすmawasu
  おきるokiru  おこすokosu
  ひえるhieru  ひやすhiyasu
  でるderu  だすdasu
  こわれるkowareru  こわすkowasu
  おれるoreru  おるoru

 今、某アルクから少しペーストしてみたが、動詞全てに整然とした対応関係があるわけではないし、学習者は苦労しますよね。他の先生方はどう教えているのだろう。

 コリン君はリピーターだ。去年この学校で4ヶ月勉強した後、ケンブリッジ大学でも1年間日本語を取っていた。持ってくる日本語教科書はひたすら分厚く、挿絵が全くない。さすがケンブリッジ版、って感心することでもないけど。
 ブレア首相、ブラウン財務相、保守党キャメロンなどの話を聞いていたら、J.アーチャーが思い浮かんだ。イギリスの政治家はさらに若い世代へ移行していくのだな、とブレア・プーチン・晋三世代の教師は思う。

オイオイオイオイ2006/09/22

 真世流君最後のレッスンは「ない形」
形が理解できたところで
  ないでください/なければなりません/なくてもいいです
3つの文型を入れた。何しろ、90分で1課進むのだから大変だ。
おまけにこの「なければなりません」、学習者には恐ろしく長く響くらしい。
イギリス人リチャードは "dekakenakereba narimasen"に、ただ呆れ果てていたが、
マルセルの反応は「オイオイオイオイオイ」
えー、今何て言ったの?

 ヨーロッパ人(男性)は困った時に、このオイオイオイを言うことがある。
マルセルは他にも「プー」「ヒュー」などを「これは大変だ」の意味で使っていた。その音がおかしくて、私は何度も笑ったりからかったりした。

 間投詞には、例えば(アメリカ中西部)のホーリー・モーリー!(何てこった!)のようにその土地特有の言い回しがあり、私にはとても興味深く感じられる。
考えてみたら「えーと」「へー」に反応する日本語学習者と同じですよね。
教科書に載っていない部分も面白い、ということでしょう。

I'm on the road (trip0906#1)2006/09/25

 
 23日から、3人の友人と一緒にアメリカ西部をドライブ旅行中だ。
ラスベガスから入って、2日目の今日はアリゾナ州フラッグスタッフに宿泊している。
 写真は93号線からキングマンに入ってすぐ右手にあるパワーハウス・ビジター・センター前の標識。ここからマザーロード・ルート66をセリグマンまで走った。荒涼とした乾いた風景が続いていた。長い長い貨物列車が私たちの車と平行に走っていた。

Here I am (trip0906#2)2006/09/27

 
 9月26日朝、グランドキャニオン・ヤヴァパイポイント。
この眺望を前にすると、言葉を失う。

 16世紀、北米を探検してここに辿り着いたスペイン人ガルシア・ロペス(だったかな?)は絶壁にひれ伏したそうだ。そして「ついに驚くべき場所を発見した!」と重々しく宣言したが、案内したインディアンたちは「こいつ、何を騒いでるんだ?」と取り合わなかったらしい。

 ネイティヴ・アメリカンにとって、グランドキャニオンは新しい発見などではなかったわけですね、もちろん。キャニオンへ来る前に立ち寄ったインフォメーション・センターのIMAXシアターで見た映画です。