スマートグリッドとサンタフェの停電2009/11/01

 スマートグリッド構想とは「IT技術の利用によってインテリジェントな送電網を構築し、エネルギーの無駄を省いて電力使用と配電を最適化しようというもの」らしい、と少し分かったような気がして新聞を読むと、太陽光発電の余剰分買い取り制度という記事もある。再生可能エネルギーの利用は温室効果ガスを削減させるのだから、低炭素社会実現のために有効な方法だろうと納得し、さらに関連サイトを読んでいたら、今年前半の「日本にスマートグリッドは不要」という記事を見つけた。

 アメリカの現在の送電網には未整備な部分があり、それがしばしば停電を引き起こすけれど、日本の電力網は既に高度な通信機能を備えているからという理屈のようで、日本、イギリス、アメリカの年間停電時間グラフも載っている。
 でも「スマートグリッド」ってそういうことじゃないよね、と頭の中で反論しながら思い出したのが、サンタフェの停電だ。

 夜8時頃だったか、Whole Foodsストアで買い物をしている時、突然、灯りと音楽が消えた。数分の間に電気は2度戻ったが、やれ安心と思う間もなく完全にダウンしてしまった。
"Is everyone all right?"
真っ暗な店の中で、数十人のお客に店員が大声で呼びかける。
"Everything is free!"
若者がはしゃいでいる。脅かしっこをしている冗談好きが数人。
私はiPhoneでサプリメントの棚を照らしていたが、店員が来て懐中電灯を貸してくれた。復旧の見込みはないようだ。レジ前に行くと、AI先生とAY先生が目的のクレームブリュレを手に「アメリカは面白いねぇ」と笑い合っていた。店員の話では、この周辺一帯が停電しているらしい。「この前もあったよ」
 点灯していない信号の交差点をゆっくり走って数ブロック先のホテルに戻ると、建物全体の灯りが消えている。フロントでは手慣れたように、マリア様の絵のついたキャンドルを貸し出し中だった。

 そう言えば、ミネソタ州北部のキャビンでも、何度か停電したことがあった。あの辺りは大雪で送電線が切れてしまうようだ。キャビンには、そうした時のための灯油ランプがいくつも置かれている。知り合いの家族は昔と同じほの明かりの中で、当たり前のように夜を過ごしていた。

Y校 大意取り2009/11/02


 ディクテーション、シャドーイング、漢字、リスニング、、、一定の練習を終え、今日はニューアプローチ6課のスキミング(大意取り)だ。月曜日、しかし明日は休日だし、みんなエネルギーは不足気味だ(私もね)。こういう時は、学生を動かすに限る。4つのグループに分け、大意取りさせることにした。

 中国、モンゴル、ベトナム人学生たちが相談し合って、段落毎にキーワードを拾い短い文にまとめる。ホワイトボードに書き終わったら、どのグループが最も過不足なくまとまっているか、全員で検討する、みんな自分のグループこそ一番だと言い張るけど。ちょっとした競争で、クラスの空気がにわかに弾んだ。

iPhoneアプリ、今はこれ2009/11/08

 iPhoneを使い始めて2ヶ月余り、これは実に画期的なツールだと、日々感心している。アプリケーションの数は、既に10万本を超えているらしい。標準付属アプリ以外に、私も25本ほど入れている。
 これまでに試して気に入ったのは:

  • Y! Music
    人気のあるアプリのようだ。150局以上のラジオ・ステーションが聴けるなんて本当にすごい。
    全米数百万人のリスナーがいるLite FMのDelilahは、ファンとのやりとりが迷いなくアメリカ的にポジティヴで、時々ちょっと呆れる。
  • Stanza
    電子ブックリーダーも使ってみたい。
    Barns&Nobleのリーダーなどもあるが、Stanzaはオンラインライブラリで著作権フリーの本がダウンロードできる。早速Kurt Vonnegutの短篇と、高校生の課題図書Frederick Douglass自伝を入れてみた。
    少し読み始めて知らない単語(たくさんある)をタップすると、あ〜ら不思議、どこからともなく英英辞書が開くのだ(辞書は入れていない)
    リーダーはスクロールするのではなく、ページをめくる方式なんですね。今さらだけど。
  • Awesome Note
    To Doリストとメモがフォルダで管理できて無料、なおかつデザインもよく、カスタマイズもできるとは、本当にawesome。


 週末、着信音の作り方をチェックした。思っていたより簡単にできるので、聞きやすい部分を切り取ったり変換したり、気がついたら30曲も作っていた。
せっかくなので、息子の着信音にBob Marley、娘用にDidoを設定した。

G校 会話クラスのチェックテスト2009/11/13

 今期から会話クラスで試行されている、5課ごとのチェックテストを採点した。うーむ、、。がんばれ、会話2クラス。

こんなとき なんといいますか。

1、ともだちと やくそくしたじかんに まにあいません。でんわで あやまります。

 T:わるいけど、バスがまちがったので、ちっとおそくなりました。
 S:ごめん。車がこわれたので、おそく行ってしまいました。
 M:すまんな。ねこがしんだから、まにあいませんでした。
 A:ちょっと またなければなりませんね。

2、あたらしく ひっこしてきた人に ルールを おしえます。
  もえるゴミと もえないゴミを わけて 8じまでに だします。

 M:ゴミをぜんぶ ここにすててくれ。だれも きにしませんからさ。
 T:ゴミはわけて 8じまでにだして。これはアパートのルール。ようこそ。

語学学習者のためのiPhoneアプリ2009/11/13

 日本語学習者のためのiPhoneアプリをチェックしてみた。どれも実際に使ってみたり、クラスの学生に使い勝手を尋ねたりしたものだ。

jpphraseshumanjpkotoba

  • Japanese Phrases
    初級向けのレッスン、フレーズ、フラッシュカード、クイズなど、内容充実。
    fun stuffの中にことわざもある。以心伝心は"telepathy"だったのか。
    スラングもいろいろ。「近所のガキはうるさい」"The neighborhood brats are loud." 「すげっ」"Awesome!"
  • human Japanese
    初級の基本項目を解説するチャプターと、クイズ、辞書部がある。かなの成り立ちなど詳しい説明の後、ひらがな学習に進む真面目なアプリだ。
    クイズには、私が教室で行なうカナ・マッチング(神経衰弱)も入っていた。
    ただし内容は「〜です/でした」の名詞文まで。形容詞、動詞もあると、もっと使えるんだけど。
  • Kotoba! (Japanese dictionary)
    アルネ君お薦めの辞書。各国語に対応しているようだ。
    文例や、時制語尾変化もあり、学習者にはうれしいだろう。


 永遠の英語学習者である私は、今のところ下の2つの辞書を入れている。

idictfreedictcom

iDicttFreeは和英と英和の辞書。英語→日本語、日本語→英語、いずれも 約10万語とのこと。定義はあっさり、文例用法、履歴はない。
 Dictionary.comのDictionary & Thesaurusには、275,000以上の定義と80,000類義語が入っているそうだ。無料。発音発声機能もあるが、これはWiFiがないと使えない。
 有料の辞書を入れるべきか、この種の辞書の充実を待つべきか。って、そんなに悩んでないけど。

日曜日の短文102009/11/15


Y校ニューアプローチ6課テストの採点をする。
カジミール・マレーヴィッチについて調べる。
リアルなベランダ菜園に水をやる。
Y! Musicで90年代ロックを聴く。
図書館へ歩く。
「長新太が好き」を借りる。
今週のニューズウィーク「本と雑誌と新聞の未来」を読む。
三種の一口カツを揚げる。
NHK番組「リーマン予想」を見る。
人参パンを焼く。

ポール・オースターとセリーヌ・キュリオルの対談2009/11/26

  iTunes Uから、ニューヨーク公立図書館のムービーをダウンロードした。ポール・オースターとフランスの新進作家セリーヌ・キュリオルが、翻訳の限界や言葉の内包する力について語り合っている。
 iTunes Uの完全版は1時間27分、遠慮がちに始まった対談が、核心に近づいてゆく過程が興味深い。語り合いながら、国籍や年齢、経験の異なる二人の作家が、書くことの意味を自分の奥深く探る。
 世界をどう捉えるか。
 朝の満員電車でこれを聞いていると、周囲の光景がいつもと違って見えた。

 ところで、「セリーヌ・キュリオル」と知っているみたいに書いたが、今朝まで聞いたこともなかった。日本ではまだ翻訳されていないし、フランス人学生たちも読んだことがないと言う。
 帰宅後調べてみたら、日仏文化協会という機関に招かれ、去年半年ほど関西に滞在していたようだ。

 YouTubeにあるのはエッセンス版だ。ポイントがうまく編集されている。