北欧旅行2026⑦ ストックホルム (2) ― 2026/08/12
旅は終盤、ホップ・オンオフのバスで ストックホルム市庁舎 へ。

黄金の間で、毎年ノーベル賞祝賀舞踏会が行われることはよく知られている。ガイドツアーに参加し、議会室や輝くモザイク壁画についての解説を聞いた。
さらにバスで移動し 国立美術館 へ。
16世紀のタペストリーから始まり、ヨーロッパ絵画、北欧美術、、

20世紀スウェーデン・デザインまでの、幅広いコレクションを観て回った。

旅程を立てる時には幾つも詰め込んでしまうけれど、実際のところ一日に回れるのはせいぜい3か所程度だろう。さらにChatGPTが提案する効率重視のルートでは、きっと単に歩くだけの旅になってしまう。
観光最終日は、ストックホルム・コンサートホール からスタートした。ここで(平和賞以外の)ノーベル賞授賞式が行われる。ホールには入るにはツアーに参加しなければならないが、ロビーにも展示品があり、小さな無料コンサートが行われている。

お城のように重厚な建物だ。高い天井のエントランス・ホールでわたしたちを見下ろすのは、スウェーデン建国の王 グスタフ1世 。
先住民好きとしては、北欧サーミ人の暮らしが面白い。
そこから始まる充実した展示は、スカンジナビア半島における16世紀から現代(福祉国家が確立される20世紀)までの歴史・文化を総合的に語ってゆく。何一つ知らなかった北欧史をなぞって歩いた。
常設展示以外では、気候変動によって狭まりゆく北極圏の生活に関する The Arctic While Ice Is Melting も開かれていた。
同じ地区にある ヴァイキング博物館

入り口だけでなく館内にも(仮)ヴァイキング人スタッフがいて、ユニークな民族の歴史を解説している。ラグンフリッド・サガは10分ほどの乗り物アトラクションだった。勇敢な海の男たち、交易と略奪、荒れる海、彼らは無事に故郷に帰れるのか、、。

ユールゴーデン島には他に、野外博物館と動物園を併設した スカンセン やグローナルンド遊園地などもある。スウェーデン国立歴史博物館 とシェップスホルメン島の ストックホルム近代美術館 (とても魅力的)には、今回行くことができなかった。
旅を復習しながら、また北欧を訪れることができるかしら?と考える。
気分だけは若いものの、いつの間にかシミシワ白髪のシニアなのだ。
何はともあれ、足腰を鍛えておきましょう。(今回の旅記録終了)
北欧旅行2026⑥ ストックホルム (1) ― 2026/08/11
コペンハーゲンからストックホルムへは列車で移動した。
コペンハーゲン中央駅を出ると、全長約8kmのオースレンリンクという鉄橋を通ってエーレ海峡を渡り、スウェーデン側の最初の駅マルムで特急電車に乗り換える。マルムからストックホルムまではおよそ4時間半の距離だ。
マルム駅でSJ(スウェーデン国鉄)特急を待つ↓

2等の車内はこんなふう。ビストロ車で軽食やコーヒーが買える。ほぼ満席に近く、窓側のわたしのシート横には、最初に猫2匹(ケージ入り)を連れた女性、その次に中型犬1匹を連れた女性が座った(犬は足元でとても静か)。

ストックホルム中央駅周辺は道路が(石畳でなく)滑らかだ。午後3時過ぎ、スーツケースを引いて10分余り歩き、ホテルにチェックインした。コペンハーゲンのホテルと同じアメリカ資本の中級チェーンホテルだが、こちらは機能的な設備を備えたクールなインテリアのホテルだった。
夕暮れの(とは言えない、いつまでも明るい)町を歩いてみる。
2ブロック先には広場があり、その向こうにはカフェ、服の店、インテリア・ショップなどが続いている。食料品売り場のあるヒュートリエット市場もすぐ近くだ。
評判のよい魚スープの店は、一人旅の夕食にぴったり。安くて美味しく、適量。実は2回も行きました。

ストップホルムには4泊。というわけで、翌日からGo City72時間パスを使い始めた。このパスで市内の観光スポット40以上の入場とHop on & off(乗り降り自由なバスとボート)が利用できるが、公共交通機関は含まれない。
2日目、世界遺産の旧市街 ガムラスタン に向かった。
地下鉄を降りれば最初に見えるのは、リッダーホルム教会 の尖塔だ。17世紀半ばから現在まで、歴代の王はここに埋葬されているという。重々しく立つ中世の鎧。片側の壁面に、王室を護衛したセラフィルム騎士団の騎士たちの紋章がずらりと並んでいた。
それから、衛兵交代の時間を見計らって王宮 ストックホルム宮殿 に足を運んだ。が、すでに正面は大勢の観光客で埋め尽くされている。
脇の歩道から楽隊の行列などを見た。所要時間はおよそ40分。ノルウェー、デンマークの王宮では見逃したけれど、こうした儀式が毎日繰り返されるのか。
スカンジナビア3国は、今なお伝統を重んじる正真正銘の王国なんですね。
ガムラスタン中心の広場に面した ノーベル賞博物館 は当然 must-see だ
アルフレッド・ノーベルの生涯について、そして受賞者にまつわる資料や様々な展示物に時間を忘れてしまう。
マリー・キュリーがラジウムの原子量を測定した天秤、ガルシア・マルケスのメガネ、デジタルモニターで文学賞の画面に並ぶボブ・ディランとカズオ・イシグロ、、
楽しんだ後、館内のカフェで受賞者たちに出されるのと同じ(らしい)アイスクリームを注文した。これは旅のハイライトのひとつね。

それから、ホップ・オン&オフのボートで フォトグラフィスカ に渡った。
知らなかったが、同じ系列の写真美術館がベルリン、上海、オスロ(あらま、残念)、ニューヨーク、エストニアのタリンにもあるようだ。現代社会を映し出す映像、多様な表現がとても面白い。

解説をよく読んでみると、それらは、もし現像所のミスでキャパのフィルムが失われていなかったらという仮定から作成された、実に巧妙な作品なのだった。
イギリスのコンセプチュアル・アーティスト フィリップ・トレダノ の手によるもの。AIは歴史をも作り変える力を持ちつつある、という問題提起なのだろうか。

北欧旅行2026⑤ コペンハーゲン (2) ― 2026/08/07
コペンハーゲンでも72時間の観光パスアプリを利用した。
地下鉄に乗って、開館時間10時 国立美術館 に着く。
幾つものガイドブックに、マティス作品が充実していると書いてあったのだ。うん、うん、素敵。
地元のマーケット トーベハレン市場へ歩いてランチを取った。シュリンプのスモーブローとレモネードで4,500円!! うーむ。
コペンハーゲンカード72時間に含まれている運河ツアーに参加した。
あちこちの水辺には、夏なのだ、暑いのだ、泳ぐのだ、という大勢の人々。
「水に入るのは自己責任で」という看板が立っていた。
有名な人形姫の像は、この船から背中を一瞬見ただけ。たくさんの観光客に取り囲まれていたけれど、世界三大ガッカリのひとつという説もあり(マーライオン、小便小僧、そして人魚姫らしい)、これでよしとしよう。
一転して静かな フレデリック教会、北欧最大のドーム天井が美しい。
塔へのツアーあり?数年前まではどこでも登っていたけれど、無理は禁物ね。旅はまだ続くのだから。
女性の衛兵も立っていた。遠慮がちに質問してみると、1990年代からは男女平等にその仕事に就けるようになったそうだ。そして、少しなら話しても大丈夫。
コペンハーゲンらしい風景と言えば、運河沿いのニューハウン。
その先の繁華街ストロイエに繋がる広場では、渋いジャズ・カルテットのおじさんたちが軽快な曲を演奏していた。夏の週末のコペンハーゲンは楽しい 🎶
北欧旅行2026④ コペンハーゲン (1) ― 2026/08/06
港からシャトルバスでコペンハーゲン中央駅へ。ロケーション優先で、すぐ横のホテルを予約している。くたびれた中級ホテルなのに安くはない。物価の高い北欧、弱い日本円、、文句を言っても変わらないので、荷物預けて歩き出しましょ。
市庁舎横であっちを向いているアンデルセンに挨拶。ここも暑い。
市庁舎内にあるイェンス・オルセンの天文時計は必見だ。

アトリウムが美しい。建物の屋上から、世界最古のテーマパーク、チヴォリ・ガーデンが間近に見える。ライドに乗る人々の楽しげな叫び声も響いてくる。
古代の美術品(例えば、ベルリンのペルガモン博物館にあるバビロニア・イシュタール門から逃げてきたのか青いライオンが2頭)、ヨーロッパ絵画、馴染みのなかったデンマーク美術、どれも楽しかった。
それから、夕暮れのチヴォリ・ガーデンに入場した。一人旅日本人シニアがライドに乗るわけじゃないけれど、夏の夜は数々のイベントが行われている。ライヴ・コンサート🎶、バレエパフォーマンスを見て、名物らしいガソリン・グリルのバターバーガーを食べてみた。名前の通り油っぽい。
翌日は電車に乗って郊外へ。
海沿いのルイジアナ近代美術館 は、建物も庭も海も素晴らしかった。大小さまざまなジャコメッティ、風に揺れるカルダー、丘の上のヘンリー・ムーア、、、大勢が入場を待つ人気セクションは草間彌生コーナーだった。
イギリス人画家ルシアン・フロイド(ドイツの精神分医フロイドの孫にあたる)の展覧会が素敵だった。友達D.ホックニーの肖像画を見ると、彼が作り出した鮮やかな風景が何枚も目に浮かんだ。最近亡くなってしまったのね、心優しいホックニー。
そこからさらに電車で北に進むと、終点のヘルシングエーアにクロンボー城がある。にわかに興味が湧いたのは、春先に映画『ハムネット』を見たからだった。
直接の関係はないが、この城がシェイクスピア悲劇の舞台とされているのだ。
というわけで、世界遺産の城では夏の期間「ハムレット・ハイライト」という寸劇が行われている。悲劇ではなく喜劇っぽいものだったけど。
道化のヨリック、写真を撮ってもいい?と尋ねたら、目を剥いて近づいてくれた。
中庭の決闘シーン、XLサイズのオフィーリアが後ろで転がっている。
北欧旅行2026 ③ナイトフェリー ― 2026/08/06
オスロ中央駅前には、大きなタイガーの像がある。
この激寒の町を、ノーベル文学賞を受賞した作家ビョルンステイエルネ・ビョルソンが「虎の都市」と呼んだことが始まりらしい。
調べてみると、この城塞は13世紀海からの攻撃に備えて建てられたもので、(王宮として使われた時期もあったが)長く確実にその役目を果たしてきた。ただし、ナチスの北欧侵攻によりドイツの支配下に置かれた時代には、城内で陰惨な処刑も行われたという。
また、この城は「アナ雪」の城のモデルとしても有名とのこと(実はそのディズニー映画を見ていないんですが)。
古城は今も軍事領域であり、(時間がなくて見られなかった)ノルウェー軍博物館とレジスタンス博物館が隣接している。この日も、門の上には銃を持った兵士が複数立っていた。

午後、スーツケースを持って、タイガー像の近くからバスに乗りフェリー港へ向かう。ナイトフェリーでデンマークへ移動するのだ。
Go Nordic Cruiseline の出航は午後4時半。
翌朝10時、コペンハーゲンに到着する。
このルートはとてもいいアイディアだったと思う。予算上やむなく窓なしキャビンを選んだが、夕食・朝食のブッフェとコペンハーゲン港から中央駅へのシャトルバスのオプションは付けておいた。
いい天気でよかった。バルト海はおだやかで美しい。ひと気がなくなるまで、甲板で夕暮れの海を眺めた。
北欧旅行2026② オスロ (2) ― 2026/08/06
2日目、3日目に訪ねた場所は
ムンクの部屋にはもう一枚の「叫び」があった。ヨーロッパ美術のコレクション、現代ノルウェーのデザイン工芸品など、2時間歩いても足りない。

美術館のすぐ横に、元は駅舎だったというこの平和センターがある。
アルフレッド・ノーベルの遺言で、平和賞の運営はノルウェーのノーベル委員会が担うことになったという。薄暗い部屋に受賞者のデジタル・パネルが並ぶ The Nobel Field (常設ではないらしい)が素敵だった。MLキング牧師やアル・ゴア氏、オバマ氏、つい最近無事が伝えられたアウンサンスーチーさんなどの灯を探す。

市庁舎もすぐ近くだ。少し並んで、ノーベル平和賞の授賞式が行われるホールのガイドツアーに参加した。
案内係の女性の愛国心あふれる説明を聞きながら、英語グループ30人ほどが館内を歩く。ホールの隅にある金色のパイプの束は、ナチス・ドイツ占領からの復興当時、資金のなかったオスロ市が一見パイプオルガンに見えるように配置したものとのこと。
カールヨハン通りを歩いて王宮前広場へ。18世紀の英雄カール14世ヨハンの銅像が立っている。
トラムに乗って、グスタフ・ヴィーゲランの彫刻だけが200以上も配置された公園に行ってみた。
北欧だというのに暑い。太陽が眩しい。愚痴を言いたくなるが、さまざまなポーズの表情豊かな彫刻群を見て回るのは楽しかった。バラ園もちょうど見ごろで、良い香りが漂っていた。
ビュグドイ地区に渡る小さなフェリーも、オスロパスがあれば無料だ。
北極観測の帆船 フラム号博物館 (船内見学可)、ノルウェー海洋博物館 (様々な船、ヴァイキング船の復元作業など)とポリネシアまで渡ったコンティキ号博物館 を回った。ヴァイキング博物館 は残念だけど改装中。
それにしても、大海原を遥か遠くへ行く人々の記録に圧倒される。
冒険こそがヴァイキングの血なのだ。

調べておいたノルウェー料理のレストランにバスで移動し、トナカイ肉ステーキ・ランチ(半分持ち帰り)の後、民族博物館に足を運んだ。
13世紀に建てられたゴル・スターブ教会(移転後に復元)は、太い支柱と厚板の壁が特徴的だ。広々とした野外博物館内には17〜19世紀の数多くの建物が移築されており、スカンジナビア先住民の服装をしたスタッフに話を聞くことができる。
北欧旅行2026 ① オスロ (1) ― 2026/08/02
7月5日からスカンジナビア3国を回って来た。のんびり気ままに一人旅、といきたいところだけど、ついあれこれ予定に入れてしまい、いつもながらの慌ただしい旅行だった。
そのトラム乗り場では韓国出身の女性が
「今日到着でよかったですね。この辺り、昨日は大変だったのよ」
と笑って教えてくれた。前日はサッカーのワールドカップでノルウェーがブラジルに勝った日、つまり例の真っ赤なヴァイキング・ロウで町中大騒ぎだったらしい。(翌週、ノルウェーはイングランドに負けてしまったが。)
さて、ノルウェーと言えばムンク、ムンクと言えばもちろん、、
と書く不勉強を今恥ずかしく感じるのは、美術館の10フロアがほぼ全部ムンク作品で埋め尽くされていたからだ。スクリームだけではない。彼は様々な画風を持つ、多作な国民画家だった。
「叫び」3作品は30分ごとに入れ替わる仕組みだ。各フロアを歩きながら時間を見計らって戻り、テンペラ・油彩画、クレヨン画、リトグラフ3作を見比べることができた。19世紀末、20世紀初頭の不安な叫びは、さらに甲高く21世紀のわたしたちの耳に響いているように思える。いや、叫んでいるのはわたしたち⁈
社会派とも言える作品や明るい色彩の大作もあった。代表作のひとつ「マドンナ」は長い冬の色、心浮き立つ太陽は夏のノルウェーの色だろうか。
美術館の屋上からは、港と(北欧建築の傑作)オスロ・オペラハウスが見下ろせる。歩いてその屋上に登るのがオスロ観光のおすすめ項目らしいけれど、予想外の暑さだ。多分30℃近くあったろう。(その暑さは、結局、旅行中ずっと続いた。)シニアの旅だからね、無理はしないことにしよう。
港の向こうに3日後に乗る予定のGo Nordic フェリーが停泊していた。
<メモ>
出発前、オスロパス72時間をネットで購入。iPhoneにアプリを入れ、空港からの電車に乗る前にアクティベートした。このパスで市内の美術館など30ヶ所余りに無料で入場できる。






































最近のコメント