映画「ハリエット」2019/08/27

 日本上映は未定だが、アメリカでは11月に映画「ハリエット」が公開されるようだ。
IMDb インターネット・ムービーデータベース Harriet



 見たい!何とか見られないものか。とない知恵を絞っているが、今のところ手段は見当たらない。しくしく、、、
 ハリエット・タブマンは幾度も死を賭して、希望のない土地から大勢の人々を救い出した。アンダーグラウンド・レイルロードを含む彼女の物語はどの本を読んでも(絵本でさえ)、心を動かすものだった。
恐らく紙幣発行(予定)に合わせた映画製作のはずだから、公開への期待感は大きく削がれてしまったかもしれない。が、根源的な力強さに変わりはない。どんな映画になったのだろうか。
 小柄なハリエットを演じているシンシア・エリヴォはイギリス出身、カラーパープルでトニー賞を受賞した女優だそうだ。オプラ・マガジンに記事をひとつ見つけた。

Oprah Magazine Color Purple Vet Cynthia Erivo Says Harriet Tubman "Means the World to Me"

文化的かつ気楽な読書2018/07/28

 今週末は持ち帰り仕事が多いし、授業準備もしなくちゃ。さて、とテーブルに資料を広げたところへ本が届いた。台風接近の風をおしてお届け下さった郵便屋さん、ありがとうございます。
 たちまち仕事を忘れ、黄色い本のページをめくる。誘惑に弱い。うれしくてこんなものまで書き出している。まあ、明日もあることですし。


(無料で読める)旅の本2018/05/20

 Lonely Planetの旅の本が、最近はAmazon Primeに置いてある。これらが無料で読めるとはありがたいことです。
紙の本も購入できるようだが、Kindleでも十分に楽しめる。ド・セルヴィ方式の仮想旅行に、またはいつか行くための参考に。

Marc Antony?2018/02/24


ancientrome

 去年の夏、塩野七生さんの大作『ローマ人の物語』第1巻に取りかかったが、全くのちんぷんかんぷん。3分の1も読まないうちに撃沈した。その昔世界史の授業をぼんやり過ごしたせいなのか、それともすっかり忘れてしまったのか。いずれにせよ、まるで基礎がない者の軽率な試みだった。
 子供達が使った世界史教科書や写真の多いローマ本数冊、ヤマザキマリさんのテルマエロマエ全巻を読んで出かけた旅行の後、本村凌二さん他の新書に取りかかった。どれもこれも同じようだった固有名詞の位置がようやく定まり、まだ中はスカスカだが大まかな流れが見えてきた。

 タブレットで読める無料の"Ancient Rome"(ノートルダム大学)もダウンロードした。箇条書きの読みやすい概説で写真も多く、簡単なQAもついている。なかなかよい参考書だ。Punic Warsがポエニ戦争、Pompeyはポンペイウス、Marc Antonyはマルクス・アントニウスという英語表記が時々ピンとこなくて、マーク・アンソニーってJ.Loと結婚してた歌手?などと、低次元の連想もしているが。
 『ローマ人の物語』、準備ができたらいつかきっと読みましょう。

 付記:
 これを書いた1ヶ月後、AmazonPrimeで超大作ドラマ"ROME"が見られるようになった。史実とは異なるけれど、映像と音でローマ世界が広がっていく。男の中の男プッロ。ちゃらんぽらんなマーク・アンソニーもいい味出してます。

読んで旅するための本2018/02/12

 ジャック・ロンドンについて調べようと、本棚の奥からまた"Oxford Illustrated Litarary Guide to the United States"を引っ張り出した。450ページあるこの大判の本は1982年の出版で、全米各都市にある文学者ゆかりの場所が紹介され、写真や引用も豊富だ。作家の経歴が丁寧に解説されている項目もある。改訂版は出ていないから、今では貴重な資料と言えるかもしれない。
 けれど、時代は変わる。
昨日、ラフカディオ・ハーンが滞在していたという住所をgoogle mapに入れてみたら、高速道路が通っていた。文学史跡も、開発の波間に消えていく。もう読まれなくなりほとんど忘れ去られた作家も、気の毒だけど、少なからずいるだろう。
 2008年に買ったNovel Destinationsには、去年第2版が出ている。文学散歩の本について何度か書いた記憶があるが、そろそろ新しいガイドブックが必要?検討しよう。



 最近の出版物には、たいていデジタル資料リンクが記載されている。kindle版電子書籍なら、もちろんリンク先の資料に簡単に移動する。かつ、電子書籍のほうが安価なことが多い。
でも、説明をよく読んでおこう。kindleは簡易版で(関連資料はリンクで済ます?)、ペーパー版だけに写真や図版が含まれることもあるようだ。
旅先に持参するなら電子版、でもページをめくる楽しさが捨てがたい印刷版、どちらを選ぶか、悩ましいところだ。

全く進歩しない英語2017/09/17

 去年の11月「世間が面白くない時は勉強」と決意したわりには緊張感なく、時々こんなテキストを引っ張り出していた。
 日本語指導レベルで考えると、ミネソタの大人向けESLクラス(移民のための夜間コース)でテキストとして指定された最初の一冊がN2レベルだろうか。つまり英検2級程度。このシリーズが気に入り、続編を使ってその後も気が向く度に(数ヶ月にほんの何日か)自習していた。そんなダラダラ学習だけど、長く続けているのだから多少は進歩しているかと思いきや、、N1レベル "Advanced Word Power" に至っては180ページ中意味のわかる単語など数えるほどしかないのだ。すっかり老人力がついてしまった。



 考えてみれば、日本語でさえ固有名詞はじめ幾多の言葉がじわじわ失われつつあるのだ。使わない英単語が脳細胞にしがみついていられるわけがない。
 であっても、英語勉強はなお楽しい。体のストレッチ同様、いつもと違う頭の部分を使う気持ちよさがある。課末の読解問題で時々取り上げられる人物エピソード、りんごの種を蒔いたジョニー・アップルシード、怪僧ラスプーチン、アンダーグラウンド鉄道のH.タブマンなども興味深かった。

 というわけで、進歩はしなくても細々とずっと続けるだろう。30歳の頃参加した渋谷BEの英会話サークルが思い浮かぶ。年代様々なメンバーの中に、現在のわたしよりもう少し年上の方々がいらした。確か大学の先生と銀行役員の奥様だった。みな仲良くなってランチをご一緒したりお宅に伺ったりした。60代のお二人が時折「全然覚えられないけど楽しいの」とおっしゃっていたっけ。
はい、お気持ちが今本当によくわかります。

詩人がいない2017/01/22

 トランプの大統領就任式を一通り見て、あれれ、詩人がいない!と思ったが、調べてみると、共和党の場合はこれまでも詩の朗読はなく、必須項目ではないようだ。そうだったのか。


 思い出してみれば、就任式をテレビで見始めたのはつい最近、2009年のオバマ大統領の時からだ。活字で読んだクリントン大統領就任式(1993年)のマヤ・アンジェロウ強い印象が残っており、必ず朗読があるものと思い込んでいたケネディ大統領就任時ロバート・フロストが最初で(86歳という高齢だったため原稿が見えず、別の詩か即興詩を披露)、以来5人の詩人が壇上で自作の詩を読んだという
 とにかく詩は大事でしょ、人は言葉で作られているんだから、というようなことが上のサイトに書かれている。そして、ウォルト・ホイットマンの詩を読んだらどうなの、という提案があった。

 年末年始恒例日向でうとうと読書、この冬は『名編集者パーキンズ』からの流れで『異神の国から 文学的アメリカ』(金関寿夫 南雲堂)やヘミングウェイとフィッツジェラルド書簡集などを読んでいた。金関先生のホイットマン論にちょうどこんな一節がある。

「ホイットマンはアメリカの保釈保証人だ。アメリカが危機に瀕すると必ずホイットマンが蘇ってくる」と言ったのは、今世紀アメリカの大詩人エズラ・パウンドだ。つまりアメリカ人は、時代を超えたアメリカの理想を力強い声で歌い上げたこの詩人を、なにかにつけ思い出すからである。p.220

 「トランプに就任の詩がないなら、自分たちでホイットマンを読もう」というサイトもあった。

 そうそう、一番好きなホイットマンの名言
"Be curious, not judgmental."