Marc Antony?2018/02/24


ancientrome

 去年の夏、塩野七生さんの大作『ローマ人の物語』第1巻に取りかかったが、全くのちんぷんかんぷん。3分の1も読まないうちに撃沈した。その昔世界史の授業をぼんやり過ごしたせいなのか、それともすっかり忘れてしまったのか。いずれにせよ、まるで基礎がない者の軽率な試みだった。
 子供達が使った世界史教科書や写真の多いローマ本数冊、ヤマザキマリさんのテルマエロマエ全巻を読んで出かけた旅行の後、本村凌二さん他の新書に取りかかった。どれもこれも同じようだった固有名詞の位置がようやく定まり、まだ中はスカスカだが大まかな流れが見えてきた。

 タブレットで読める無料の"Ancient Rome"(ノートルダム大学)もダウンロードした。箇条書きの読みやすい概説で写真も多く、簡単なQAもついている。なかなかよい参考書だ。Punic Warsがポエニ戦争、Pompeyはポンペイウス、Marc Antonyはマルクス・アントニウスという英語表記が時々ピンとこなくて、マーク・アンソニーってJ.Loと結婚してた歌手?などと、低次元の連想もしているが。
 『ローマ人の物語』、準備ができたらいつかきっと読みましょう。

 付記:
 これを書いた1ヶ月後、AmazonPrimeで超大作ドラマ"ROME"が見られるようになった。史実とは異なるけれど、映像と音でローマ世界が広がっていく。男の中の男プッロ。ちゃらんぽらんなマーク・アンソニーもいい味出してます。

読んで旅するための本2018/02/12

 ジャック・ロンドンについて調べようと、本棚の奥からまた"Oxford Illustrated Litarary Guide to the United States"を引っ張り出した。450ページあるこの大判の本は1982年の出版で、全米各都市にある文学者ゆかりの場所が紹介され、写真や引用も豊富だ。作家の経歴が丁寧に解説されている項目もある。改訂版は出ていないから、今では貴重な資料と言えるかもしれない。
 けれど、時代は変わる。
昨日、ラフカディオ・ハーンが滞在していたという住所をgoogle mapに入れてみたら、高速道路が通っていた。文学史跡も、開発の波間に消えていく。もう読まれなくなりほとんど忘れ去られた作家も、気の毒だけど、少なからずいるだろう。
 2008年に買ったNovel Destinationsには、去年第2版が出ている。文学散歩の本について何度か書いた記憶があるが、そろそろ新しいガイドブックが必要?検討しよう。



 最近の出版物には、たいていデジタル資料リンクが記載されている。kindle版電子書籍なら、もちろんリンク先の資料に簡単に移動する。かつ、電子書籍のほうが安価なことが多い。
でも、説明をよく読んでおこう。kindleは簡易版で(関連資料はリンクで済ます?)、ペーパー版だけに写真や図版が含まれることもあるようだ。
旅先に持参するなら電子版、でもページをめくる楽しさが捨てがたい印刷版、どちらを選ぶか、悩ましいところだ。

イタリアへ絵を観に行く (6)2018/01/09

ミラノ

 そうだ、これを観るためにやって来たのだ。秋口から幾度も予約サイトにアクセスして発売開始日を確かめ、12月24日夕方の予約を取った。クリスマスの25日は閉まっているからこの日しかない。
死ぬまでに見たい名画「最後の晩餐」

thelastsupper

 鑑賞時間は15分、25人ずつが指示に従って3つの扉を進むと、薄暗い部屋の右奥にテンペラの壁画が現れる。皆しーんと静まって近づき、しばらくたって写真を撮り始めた。
来てよかった。観られてよかった。生きててよかった。
 鑑賞後、ふわふわした気持ちで前を走るトラムに乗ったら、反対方向だった。

 ミラノ2日目、観光最終日はクリスマス、ドゥオモや博物館は全部お休みだ。
ミラノ最古の教会サンタンブロージョ聖堂では、ミサがとり行われていた。大勢の信者の向こうに、天蓋のついた金色の祭壇が見える。司祭の説教が朗々と響き、お香の煙がもうもうと漂っている。外に出て回廊の柱にあるというケンタウロスの彫刻を探していると、正午の鐘が鳴った。
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 午後は結局ドゥオモ周辺へ。屋上には登れないが、大聖堂は開いていた。長い列に加わって入り、壮麗な何枚ものステンドグラスと絵画を見上げた。
ストリート・ミュージシャンのブルースギターが響く広場も、ガッレリアもマクドナルドも、ドゥオモ裏手のマーケットも、世界中からの観光客で溢れかえっていた。
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イタリア2017備忘録完了 バケットリスト、次は?

イタリアへ絵を観に行く (5)2018/01/09

特急電車について
 3区間乗るフレッチェロッサの座席は1等、2等プレミアム、そして2等普通の3種類を購入した。違いを知りたかったからだが、結論「あまり変わりません」
飲み物や新聞などの車内サービス、座席の数と種類(革張り/布)が少し異なる。
車両平面図を確認して荷物棚の近くを予約したのに、誰もそんなことは気にしてないようだった。断言はできないにせよ、ほぼ安全だろう。

1等の車内。ホテルチェックインの時間に合わせるため、到着はいつも午後2時頃にした。車窓からの風景が楽しい。長い鉄橋を渡ればヴェネチアだ。
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ヴェネチア

 ホテルにチェックインし、さっそく水上バス、ヴァポレットに乗る。サン・マルコ広場へ行かなくちゃ。なぜなら、10数年前のIMAXフィルムで、あの広場はまるで宇宙の中心のようだったから。モーガン・フリーマンがナレーターだったが、ナショジオ番組以前のものだ。Explore The Cosmos With Morgan Freeman(開始6分ほどで広場が出る)そのシーンを、まだ高校生と小学生だった子供達と見たのだ。なぜか印象に残り、ずっと覚えていた。

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 ヘミングウェイ・ファンとしてはHarry's Barも忘れてはいけない。でも、外から見ただけ。
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 ヴェネチアの2日間、意見の合わないGoogle mapを頼るのはやめて、道路表示を見ながら迷路を歩き回った。案の定何度も不思議な路地に迷い込んだが、教会に入り、リアルト橋近くの市場を覗き、サン・マルコ寺院のテラスに上がり、小さなバーで一人楽しく小皿料理でワインを飲んだりした。

 美術館は現代美術のペギー・グッゲンハイム。
ちょうど小さなピカソ展を開催していた。古い名画を見過ぎてガチガチにこわばった頭がほぐれていく実感があった。カンディンスキー、マグリット、ポロック、ウォーホル、、そのよさは単に自分との距離なのか。
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イタリアへ絵を観に行く (4)2018/01/08

トスカーナ1日ツアー

 ピサも行かなきゃとフィレンツェからの経路を考えている時、現地ツアー参加を思いついた。いくつものコースから選んだのが本場キャンティのワイン・テイスティングもついたシエナ、サン・ジミニャーノ&ピサツアーで、これが大正解だった。・

A SPECIAL DAY IN TUSCANY: PISA, SAN GIMIGNANO, SIENA(参加日のツアーは順序が違う)
 いずれも世界遺産に登録された歴史ある町だ。
英語ツアーの参加者は10数カ国からのおよそ40人で、バスは満席だった。日本人は一人だけ。隣り合った台湾のカップルや、北京からの母娘2組などと話しながら楽しい一日だった。北京の母娘たちとはその後ヴェネチアでもバッタリ会った。

 ゴシック様式のシエナ大聖堂では、ラファエロがフレスコ画の修行をしたそうだ。サン・ジミニャーノは中世そのままの小さな町。高い所があれば登りたい中年旅行者は、もちろんピサの斜塔にも。平衡感覚が乱れるのか、下へ降りたらしばらくフラつきました。

ツアーの時間は朝8:00ー19:30
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イタリアへ絵を観に行く (3)2018/01/08

フィレンツェ

 駅に近いホテルに2時前にチェックインし、さっそく歩き始める。が、今回初めて持参したwifiで利用するGoogle mapのGPSと持ち主の方向感覚が妙にズレるのだ。違った方向に無駄に歩いてしまう。紙の地図だけの頃にこの混乱はなかった。
サンタマリア・デッラ・フィオーレ、フィレンツェのドゥオモに圧倒される。並んで内部を見学し、並んでクーポラに登り、町を見下ろした。フィレンツェは美しいと聞いていた。本当に美しい。
GPSと戦いながら、歴史地区を歩き回った。
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 翌朝ウフィツィ美術館へ行く。ボッティチェリの間は既に混雑、特に中国の団体ツアー客でにぎやかだ。回廊からベッキオ橋方向を眺め、ミケランジェロ(聖家族)、ラファエロ(ヒワの聖母)、ダ・ヴィンチ(受胎告知)、、名だたる傑作にクラクラしながら外へ出た。
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中央マーケットのフードコートで昼食を取り、午後はアカデミア美術館。ダビデ像が決意に満ち、孤独に立っていた。
その後サン・ロレンツォ聖堂や市場、前日買ったチケットで入れるドゥオモ付属博物館など回っているうちに、もう夕方になってしまう。時間足りないよね、いつも。

 ところで、ルネサンスの町フィレンツェで、この旅行中唯一の危機が勃発した。
駅前のカルフールで3人の不良娘に囲まれ、その一人にワインボトルで頭を殴られたのである。妙に近づいてくるなあと思った瞬間、パコン。(ボカン!でないのが幸い)とっさにバッグを押さえ込み(元々しっかり斜めがけ)無事だったが、さすがイタリア!注意しましょう。

イタリアへ絵を観に行く (2)2018/01/07

ローマ

 到着日の翌朝、バスでボルゲーゼ美術館へ行った。美しい宮殿のような建物の、ごつごつと簡素な石のらせん階段を登り、天井画を見上げ、真面目な気持ちでベルニーニ、カラヴァッジォ、ラファエロ、ティツィアーノと向き合った。正直に書けば、今までさほどイタリア美術に親しんでいない。ゴシック期、ルネサンス期、バロック期の流れもよく理解していない。
それでいいのか?と思ったのだ。だからやって来た。
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 フォロ・ロマーノ周辺をずいぶん歩き、夕方カピトリーノ美術館に入った。ミケランジェロ設計世界最古の美術館は一見小ぶりだが、内部には驚くほど数多くの名作が収められていた。モザイク画、フレスコ画、彫刻、コンスタンティヌス帝の大きなブロンズ頭部、子供達の世界史図録に載っていた瀕死のガリア人、そして狼とロムルス・レムス。おお、これだったのか。
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 3日目、カンポ・デ・フィオーリ広場の朝市を見てから、ヴァチカン美術館へ行った。音声ガイドと館内地図があったのに、混んでいるのと興奮状態でどう回ればいいのか分からなくなる。ラファエロの間、システィーナ礼拝堂ミケランジェロの元でしばらく過ごし、前回は逃したラオコーンと絵画館のダ・ヴィンチ、ラファエロをゆっくり眺めた。
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 それからサン・ピエトロ大聖堂に入る列に並んだが、連絡をくれた元学生たちと会う時間が近づき、予定を変更した。ピエタは次回の宿題にしよう。楽しいコーヒータイムの後、クリスマスマーケットの後片付けが進むナヴォーナ広場で3つの噴水を回り、パンテオン周辺を歩いた。(ピッツァとジェラートも。)


 4日目移動日、チェックアウトを済ませてからホテルにスーツケースを預け、徒歩数分のマッシモ宮(ローマ国立博物館)へ向かった。この部屋でいっとき過ごすためである。
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 朝のリウィア家の庭には誰もいない。B.C.25年頃に描かれた絵の何に引きつけられたのだろう。前回は知らなかったが、リウィアは初代ローマ皇帝アウグストゥスの妻であり、フレスコ画はその別荘を飾っていたものだという。リウィアの胸像は同じマッシモ宮のロビー階にあった。穏やかな顔立ちの女性だった。
モザイク画、彫刻、古代ローマからユーロまでのコインの部屋なども急ぎ足で見て回り、荷物を取りに戻って、11時過ぎのフィレンツェ行き列車に乗った。