国立アフリカ系米国人歴史文化博物館 (第18次遠征隊#1)2019/07/09

 ワシントンDCのスミソニアン博物館群は無料で自由に入場できるが3年前に開館したNational Museum of African American History and Cultureだけは時間指定券が必要だ。特に夏期ピークシーズンの週末はtimed entry passなしの入場不可。当日の早朝6時半にネット予約が開始される。ということを、出発2週間前に知った。
 DC到着翌日(6/22土)5時半のアラームで目を覚まし、6時半ぴったりにsame-day onlineを開いた。が、何も始まらない。サイトを出たり入ったり、、と10分後、やにわに表示が変わり、おおっと30分枠のひとつをクリックした。でも、先に進もうとしてもはねられてしまう。アクセスが集中しているのだ。別の枠を選んではねられる、また選んではねられる、を繰り返す。そうこうしているうちに小一時間たち、非情にも全時間帯はsold outになってしまった。撃沈意気消沈、、はるばる太平洋を渡ってきたというのに。もう、二度寝しちゃうぞ。でも眠れるわけない。

 第18次遠征隊は、出だしから主目的のひとつがこんな調子だった。うなだれて出かけたフォード劇場。

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 1865年4月14日にここで起きた歴史的暗殺事件の解説を、皆熱心に聞いている。貴賓席は当時のままだ。背後からリンカーン大統領を撃った(俳優)ジョン・ブースは手すりを乗り越えて舞台に飛び降り、驚愕する観客の前を横切って、馬で逃走したのであります。地下には様々な資料、実際の拳銃も展示されていた。興味深い。でも、気持ちは晴れない、、。
 解説が終わりかけた頃、ふと思いついてスミソニアン・サイトに繋いでみた。と、いくつかの時間枠が緑に変わっている。えいっ、正午の枠を確保!

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 首都は青空、たちまち気分は晴れわたり、気温30度の中モール沿いの道をスタスタ移動した。チケットなしで並ぶ列を横目に、セキュリティを通る。受け入れ人数の調節で、指定券を持たなくても運がよければ入館できるのかもしれない。
 夏休みとあって、この後足を運んだどの博物館も、親子連れや校外学習の生徒たちでたいそう混雑していた。とは言え、アフリカ系アメリカ博物館の混み具合はケタ違いだ。
 
 今また博物館資料 the Collection を見れば、感動的なあの3時間がよみがえる。
 L4カルチャー・ギャラリーのMusical Crossroads、サッチモやマイルス・デイビスのトランペット、エラ・フィッツジェラルドのドレス、サム・クック、ジミヘン、レイ・チャールズ、クインシー、プリンス、カラー・パープルのウーピー衣装、およそ人間のものとは思えないダイアナ・ロスとホイットニーの服、、、
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 L3コミュニティ・ギャラリーのアリ、カール・ルイス、ジョイナー、野球やバスケットボール他の数えきれないほど多くの名選手たち
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 リチャード・ライト、ジェイムズ・ボールドウィン、トニ・モリスン、ニッキ・ジョバンニ、、
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 こうした人々がアメリカの音楽、映画、スポーツ、文学を驚くほど豊かな厚みのあるものにしてきたのだ。アフリカ系アメリカ人を抜きにこの国の文化は語れない。その圧倒的な才能と力に胸が熱くなった。


 C1ー3の歴史ギャラリーに入るには、まるで上野の美術館のような、長い列に並ばなければならない。
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  C3 Slavery and Freedom 1400-1877 には時代に沿って奴隷船や奴隷市場、独立戦争、南北戦争当時の資料が並んでいた。ナット・ターナーの聖書、ジョン・ブラウンやフレデリック・ダグラスの手紙、そしてハリエット・タブマンのショールに見入った。
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 そこからC2 the Era of Segregation 1876-1968へ移動すれば、隔離政策時代のシットイン・カウンターや電車が置かれ、もちろん公民権運動のMLキングやローザ・パークス、マルカムXが続く。そしてC1の A Changing America 1968 and beyond。"Black is beautiful."を経て、オバマ大統領やオプラ・ウィンフリーの登場は着実な象徴的変化であっただろう。
 ラングストン・ヒューズの "I, too, sing America."が、出口スロープの壁面に大きく書かれていた。

 午後後半は、息子へのお土産を買いに Wizards shop(八村グッズはまだ、ドラフト数日後で当たり前)、航空博物館のライト兄弟コーナー、それからアメリカ美術館と肖像画美術館(夜7時まで)

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