役立つ英語コミック本2016/08/01

 ル・コルビュジエ建築物の世界遺産登録が決まった時、何か参考書はないかと本棚を探ったら、これが出てきた。
英語で書かれた入門書で、コミックブック形式を採っている。が、コミックとは言え、おかしな悪ふざけ本ではない。現代建築の先駆者フランク・ロイド・ライトとル・コルビュジエについては20ページほどを費やし(p.132-51)、建築思想を対照的に説明している。最初の部分をまとめるとざっとこんなふう。
 ライトは中西部出身のカントリーボーイだった。彼の思想は19世紀作家ソローやホイットマンに由来し、20世紀初頭のアメリカにはなお革新的な先駆者精神や自由主義を表現しうる広大な大地が開けていた。
 ル・コルビュジエは、スイスでカルヴァン主義の時計職人の子として生まれた。パリでデザインを学び、キュビズム、シュールレアリズムなど前衛芸術活動の人々と知り合い、ピュリズムを創り出した。
 そして、ライトの水平に伸びる家は敷地の形状を生かし自然素材を使って建てられ、科学と合理性を重んじるコルビュジエの建物は敷地からピロティで立ち上がり、機械のように大量生産を可能にする工業資材で造られた。

 という具合にふんだんなイラストで解りやすい"For Beginners"シリーズは、Writers and Readers Publishingから出されている。複雑に語られがちな思想やテーマが気楽に楽しめるような本を目指しているという。

 


 上の二冊は古本だったため、今ではヨレヨレだ。哲学本は裏表紙に貸し出し票が貼ってあり、調べたところ元はミシガン州デトロイトから80km離れた中学校図書館のものだった。どこをどう通って、はるばるわたしの所へ来たのだろう。この本は数年前にも紹介したような気がするが、まあいいとしよう。未購入の三冊目は今年出版されたばかり。

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