全米50州ドライブ計画#12014/07/03

 きっかけは、長田弘さんの『アメリカ61の風景』(みすず書房)だ。20年あまりかけ、自分でほぼ全州を運転したという話に刺激を受けた。読んだのは2004年、その翌年にドライブを開始した。
 けれども、わたしの旅行は長田さんのように two-lane highway 片道1車線の地方道を一人でゆっくり走る正統派ではない。短い学期休みを利用して、いろいろな同行者(娘とその友だち、学生時代の友だち、幼なじみ、近所の主婦仲間、先生仲間など)とあーだこーだ言い合い、時には4車線6車線のインターステートも突っ走る、邪道なロード・トリップだ。

 遠征隊という名称を思いついたのは、5回目くらいだろうか。その頃から、州の形のマグネットを集め始めた。当初は旅先で買っていたものの、お土産屋に見当たらないこともあり、最近はAmazonUSAに注文するという安直さだ。また、ここまで計38州には、たった1マイルしか走っていないアーカンソー、メリーランド、ロードアイランド、ウエスト・ヴァージニアがカウントされていることも、既にどこかに書いたが、改めて申告しておこう。全州ドライブ認定機関があるわけじゃないけど。

 マグネットを広げると、こんな具合になる。
カリフォルニア、テキサス、フロリダ小さ過ぎ!! ロードアイランドとデラウェア、ワシントンDCもおなじ大きさだし、うまく収まりません。

US38states

 並べながら、切り立った海岸線、乾いた南西部の丘陵、長い長い橋、遺跡や砦や灯台を思い浮かべる。戻らない時間の中で、もう二度と走らない道を走った。ただその記憶が残る「自分を探さない旅」だ。
(この歳で自分を探してどうする?)

全米50州ドライブ計画#22014/07/05

 いろいろ読んで調べて出かけるのに、歩き回って帰ってくれば(固有)名詞はどんどん忘れてしまう。恐ろしいことだ。
風景はくっきりと頭に残っているし、その土地ならではの食べ物飲み物も覚えているが、はてさて訪れたのはいつだったのか。要・備忘録。

  -2005年以前にドライブした州
ミネソタ、ノースダコタ、サウスダコタ、ワイオミング、アイオワ、ウィスコンシン、イリノイ、ワシントン、オレゴン、カリフォルニア、ハワイ

<第1次>2005 新しい州なし
   (主なルート ミネアポリス〜ミルウォーキー〜シカゴ)
<2>2006春 新しい州なし
   (ミネアポリス、サンフランシスコ〜西海岸沿いに南下LA〜サンディエゴ)
<3>2006秋 ネヴァダ、アリゾナ、ユタ
   (ラスベガスグランドキャニオンザイオン、カーメル)
<4>2007春 サウスカロライナ、ジョージア、フロリダ
   (チャールストン〜サヴァナ〜オーランド、キーウエスト)
<5>2007秋 インディアナ、オハイオ、ミシガン、ペンシルヴァニア、
       ニューヨーク
   (シカゴ〜クリーブランド〜ナイアガラトロント、DC)
<6>2008秋 ニュージャージー、デラウェア、メリーランド
   (ニューヨーク〜大西洋沿いにケープメイ〜フィラデルフィア)
<7>2009春 テネシー、アーカンソー、ミシシッピ、アラバマ
   (メンフィス〜ナッシュビル〜モントゴメリー〜アトランタ)
<8>2009秋 ニューメキシコ
   (ミネアポリス、アルバカーキ〜サンタフェ〜タオスプエブロ)
<9>2010冬 テキサス、ルイジアナ
   (サンアントニオ〜ヒューストン〜ニューオリンズ)
<10>2011秋 コネチカット、ロードアイランド、マサチューセッツ
   (NYC、ハートフォード〜ケープコッド〜ボストン)
<11>2012冬 コロラド
   (シアトル、サンタフェ〜メサヴェルデ閉鎖中)
<12>2013夏 ヴァージニア、ウエストヴァージニア
   (ミネアポリス、DC〜シェナンドー〜シャーロッツビル
            〜ウィリアムズバーグDC)

 文学史関係他
スタインベック生家<第2次>、ヘミングウェイの家・キーウエスト<4>、
ヘミングウェイ生家<5>、FLライトの家とスタジオ <5>、フィッツジェラルドの家・モントゴメリー<7>、MLキングの家<7>、フィッツジェラルドの家・セントポール<8>、ジョージア・オキーフのNMスタジオ<8>、マーク・トゥエインの家<10>、ウォールデン湖<10>、T.ジェファソンの家モンティチェロ<12>

全米50州ドライブ計画#32014/07/09

 問題は、残り12州を走るにはあと何年かかるか、ということなのだ。おばあさんになるまでに、と半ば冗談のつもりで言っていたけど、ゆったり構えている場合じゃない、実際のところ。

 先週からクラス授業に復帰した。休み癖がついたのか、帰宅するとカバン放り投げて横になりたくなる。エネルギーを蓄えて、次の旅行に備えなくちゃ。
 さあ、残りは何回だろう?例えば、

・アイダホ、モンタナ
   (イエローストーン、ルイス&クラークの史跡もありそうだ)
・ネブラスカ、カンザス
   (ブローティガンの小説にネブラスカのことばかり考えている男がいた。
    「ウイチタ・ラインマン」いい曲だった。JTもカヴァーした。
    んー、でもどこへ行く?)
・ケンタッキー、オクラホマ
   (馬、ブルーグラス、バーボン、ルート66博物館)
・ミズーリ
   (セントルイスのゲートウェイアーチ、西部開拓・南北戦争関係の博物館
    +テネシーのメンフィスで見逃したロックンソウル博物館も)
・メイン、ニューハンプシャー、バーモント
   (紅葉のシーズンがベスト、
    Eホッパーの灯台とペノブスコット湾はmust-see)
・ノースカロライナ
   (ライト兄弟のキティホーク、灯台、
    +ヴァージニアのリッチモンドにEAポー博物館、DCでスミソニアン
・アラスカ
   (アンカレジからデナリ国立公園、フェアバンクス、オーロラは何月?
    星野道夫さんの写真のような風景を前にすれば、立ちすくむだろう。
    ジャック・ロンドン関連の場所も)

 ざっと数えて7回。お友だち/知り合いの方々、興味がありましたらお知らせ下さいね。一体そこへいつ行くのか、未定ではありますが。
また、ここへお立ち寄りの方々、その州にはこんな場所もあるよというアドバイスも大変うれしいです。

子供の時も、子供が子供の時にも、読まなかった本2014/07/23

 子供の時にはバーネットやオルコットやモンゴメリを読んだ。それから標準的に、漱石芥川太宰三島安岡大江安部開高吉行野坂狐狸庵マンボウ筒井氏(文豪の皆様まとめてしまって申し訳ありません)他翻訳ものもあれこれ読んで母親になり、子供たちにはらぺこあおむしぐりとぐらピッキーとポッキーいたずらきかんしゃもりのなかことばあそびうたその他を読み聞かせした。

 今年の春先、ふと図書館の子供コーナーに足を踏み入れて驚いた。知らない本がたくさん並んでいる!!
子供が子供でなくなってから、絵本や児童書を手に取ることがなかったというわけだ。エルマーとりゅうはてしない物語ハリーポッター1巻目あたり以降のことは、知らずに過ぎてしまった。

 また何か読もうと思った時、コールデコット賞とニューベリー賞のリストが参考になった。美しい色彩のデイヴィッド・ウィズナーと日系のアレン・セイに続いて、昨日ルイス・サッカーの『穴』を読んだ。図書館にはリクエストしておいたロイス・ローリーの『ザ・ギバー記憶を伝える者』が届いている。これは映画化され、そろそろアメリカで公開されるらしい。
 子供の本には、子供がいてもいなくても、読むに値する面白さがあるんですね。この再発見は意味深い。