キューバで絶句する(メキシコ&キューバ旅行#5)2014/04/09

 何のためにハバナへ行ったか?
それは言うまでもなく、ヘミングウェイ博物館を見るためである。

 3月28日、早朝のクバーナ航空便でメキシコシティからキューバへ飛んだ。午後1時過ぎにハバナ空港到着。ピックアップサービスのガイド、日本語の上手なトニーさんが兌換ペソ CUC への両替を手伝ってくれて、車で旧市街のホテルへ向かった。
「ハバナへようこそ。何をしたいですか」
「Finca Vigia(ヘミングウェイ博物館)へ行きたいです」
「あ、それは残念ですね。見ることができません。今、閉まっています」
「!。。。(驚いて口がきけない。が、気を取り直す)あの、いつまでですか」
「4月までです」
ヘミングウェイ邸Finca Vigiaは、アメリカ映画撮影のため閉鎖されており、見学はまず無理だろうという。でも余りの意気消沈ぶりを見かねて、トニーさんは上手にお金を渡せば入れてくれるかもしれない、とアドバイスしてくれた。つまり賄賂を渡せということだ。そうか、ここはキューバだ。何とかなるかもしれない。
 その日はチェックイン後、一人オビスポ通りを散策して過ごした。

 翌朝、ホテル前でタクシーをチャーターした。Finca Vigiaまで往復40兌換ペソを35に値切って、ちょっと満足する(後で聞いたら、30CUCでよかったらしい。1CUC=105円、カナダ$から交換
道々20分間、運転手はヘミングェイ博物館は素晴らしい、と愛想よく話し続ける。閉まってることを知らない?それとも今日は開いている?
 道路際に立つヘミングウェイ博物館表示を見て左折し、小道を進んだ。
運転手「あれ、何か書いてあるよ」

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 ああ、やっぱり!
「入れないよ」という運転手の声を無視して、門の中に立つガードマンに声をかけた。それから15分懇願/嘆願/哀願を続け、ついには門に半身を入れて不器用にお金を渡そうとしたけど...。
 実はこの門の中、博物館の広い敷地ではキューバの野球少年たちが練習試合をしているのだ。ゲーム観戦中の大人も大勢いて、門の様子を見ていたキューバのおばちゃんにスペイン語で「あんた、むりむり」と言われる始末(たぶん)
政府がアメリカの映画会社に1ヶ月貸し出しているので、観光客を入れるわけにはいかない。もしこっそり入れれば、すぐに知られ、ガードマンは職を失う、とタクシー運転手が言う。それはそうだよね。

 ヘミングウェイ邸は野球が行われている広場の向こう、小高い木立の奥にあり、外からは全く見えない。しょんぼりしながら塀の周りを少し歩くと、林の中にパパの愛艇ピラール号が置いてあった。
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 挨拶をして帰ることにした。
しょうのないやつだ、と苦笑いするガードマン。
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 ところで、考えてみれば、タクシー運転手はもちろん事前にこの閉館を知っていたわけですよね。調子よく往復の仕事を引き受けたけど。そして、わたしも一度は行くつもりだったけど。
 翌日から、ホテルの正面ドアを通るたび、そこで客待ちをする運転手はわたしを「ヘイ、ヘミングウェイ!」と呼ぶのであった。

 説明を付け加えると、博物館貸し切りはこれまでほとんどなかったことであり、また情報はどこにも載っていない。旅行計画中の1月頃、博物館サイトに確認のつもりでメールも出したが、インターネット普及途上国のためか返事はなかった。関連ニュースも検索できない。つまり、行ってみなければわからなかったことで、単によくよく間抜けな話なのだ。

 いつかまた、キューバ&ブラジル旅行でもしよう。ご一緒できる方はご連絡くださ〜い。