映画3本2012/02/18

水曜日に、イーストウッド監督の『J.エドガー』
金曜日に、『人生はビギナーズ』
今日土曜日、『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』を 見た。

アメリカ現代史がFBI長官を軸に語られるJ.エドガー、各時代に挿入されるスティール写真が効果的で面白い。でも、イーストウッドの生真面目さが、今回は少し重過ぎる感じ。
フィリップ・S・ホフマンそっくりの太ったレオ君、残念でしたね。


ビギナーズはストーリー展開とアートがいい。全体を通しての色使いがステキだったので、IMDbでアートディレクターなど調べてみた。
ややくすんだ黄色い壁を背に絵を描くユアン・マクレガー、孤独で妙ちくりんでかっこいいです。もちろん、父親役のC.プラマーも素晴らしい

最初は入り込めなかったExtremely Loud and Incredibly Closeだが、間借り人が登場する頃から気持ちが主人公のオスカーにぐっと近づいていった。Billy Elliot(リトルダンサー),the Hours(めぐりあう時間たち),the Reader(愛を読むひと)のダルドリー監督なんですね。
抵抗しても、ガッとつかまれます。
新聞の映画評には「人はみな傷ついているというまとめ方」云々とあったが、それほど単純なものではないだろう。
映画では、切り取られた時間の中で人と人とがきちんと向き合っている。わたしはいつも、そのことを羨望する。

コメント

_ dragonfly ― 2012/02/26 23:06

続き:アカデミー賞の主演女優賞候補に挙がっている『ドラゴン・タトゥーの女』を、昨日見てきました。凄まじい映画です。原作が平積みされているのを見たことがあるけれど、ベストセラーになった頃、既に作者スティーグ・ラーソンは亡くなっており、さらにこの映画を見ることもなかったのですね。お気の毒に。
監督は『セヴン』のデヴィッド・フィンチャー。 なるほど。

_ K ― 2012/02/28 19:00

このところ映画を観ていないので、なんともなんてすが。
寒くてさみしいから、はずれていますけど、ちょっとだけ。

古い手控えの中にこんな一節がありました。
フェミコードにふれたら消してください。

「映画とは、すべて、男が女を獲得するストーリーだといってよい。ヒロインのふりをして女優が画面に登場する。ほんとうは、女優が、つまり選り抜きのきれいな女が、役柄と関係なくただそこに出ていてさえくれれば、もうそれだけでなす術もなく世の男は虜になるよりほかないのだ。映画のかがやきとはこれだ。ヒロインよりも、そこに女優が登場するということの持つ力。こんないい女にいい思いをさせる以外、男がほかに何かすることがあるのだろうか、と考えること。女優には、映画のなかだろうが外だろうが、何かしら唯一無二の感じがある。」
辻原登『ジャスミン』(2004)

_ dragonfly ― 2012/03/03 13:17

Kさん、週末をいかがお過ごし?
信頼している映画評は沢木耕太郎の「銀の森へ」なんですが(シックスセンス評や、去年の猿の惑星評など唸ってしまう巧みさ)、彼はエッセイ集で「映画はありえたかもしれない人生への夢について語られたものが少なくない」と書いています。
辻原さんの男が女を獲得する「夢」は、確かに唯一無二の儚い感じ^^;

映画には始まりと終わりがあるから、その限りでは満ち足りた100%の幸福も可能なのでしょう。ありえない夢のような時間にただ浸る...
明日は友だちとHugoを観てきます。

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