年末インド&香港#12012/01/07

 皆さま、明けましておめでとうございます。
2012年がどうか平穏な年でありますように。今年もどうぞよろしく。
 ようやく体調が戻りましたので、備忘用旅行メモを書き始めます。
写真は旧市街Old Delhi
olddelhi

 初インドである。
7泊8日(うち車中泊2日機中泊1日)ツアーで、12月の北インドを回った。
デリー空港到着から帰国便出発までずっと世話してくれたのは、スルーガイドのクマールさん24歳。各地区の運転手はいずれもサイドミラーのない車を巧みに操って、絶え間なくクラクションを鳴らしつつ、町を村を街道を路地を突っ走った。その車の窓から見た光景を思い出してみると、
人人人家車牛ゴミ埃リクシャー店ゴミ埃オートリクシャー犬ゴミ埃林自転車オートバイ豚空畑田んぼゴミ埃人人人、、、
 インドとは、つまりそういう国なのだった。

 そして、その人と牛とゴミ埃の向こうに、燦然と壮大な歴史的建造物がそびえている。
幾多の建造物を通して、わたしたちはこのわけわからん国にかつて栄えた王朝の、諸々の物語の一端に触れた、と言えるだろうか。
 インドをご同行くださったのは、K校の同僚H先生でした。いやあ、楽しかった。でも、大変でしたねえ。

年末インド&香港#2 デリー2012/01/07

到着翌日 デリーで見た場所メモ
一日でこれらを回り、夜には寝台特急でベナレスに向かう。予想通りの強行軍...

見学中の小学生たちは皆、人なつこく元気だ。すれ違うと口々にハーイ! ハーイ!
indianstudents

・ジャマ・マスジッド(Jama Masjid) 1658年
 インド最大のイスラム寺院

・インド門(Indian Gate) 1931年
 第一次世界大戦で戦死したインド兵のためにイギリスが建てた。

ラール・キラ(Lal Qila) 1648年 <世界遺産>
 レッド・フォート(Red Fort)とも言う 赤い砂岩の城。
 ディワニアム(Diwan-i-Am)民衆に謁見するための棟と
 ディワニカス(Diwan-i-Khas) 貴賓謁見棟などがある。
redfort

フマユーン廟(Humayun's Tomb) 1565年 <世界遺産>
 ムガール帝国2代皇帝フマユーンをまつったもの。
 タージマハルとは反対に、妃が亡き夫のために建てた。 
humayun's

ラージ・ガート(Raj Ghat) 1948年
 マハトマ・ガンジーの墓と記念公園。モニュメントでは常に炎が燃えている。
 実際に暗殺された場所は、ガンジー・スムリティ博物館(Gandhi Smriti Museum)になっているらしい。行けなくて残念。
 アトランタのM.L.Kingセンターでキング牧師が愛読したガンジーの本を見たことがあり、スムリティ博物館にはとても興味があったのだが。
rajghat

クトゥブ・ミナール(Qutb Minar) 1200年頃 <世界遺産>
 ヒンドゥーとイスラム両方の様式で建てられた石塔
qutabminar

年末インド&香港#3 大遅延2012/01/07

 「電車が遅れた」とクマールさんが言った。予定ではデリー発19:50の夜行特急に乗り、3日目の朝6:45、ガンジス川沿いの聖地ベナレスに到着するはずなのだ。携帯で情報を取っているらしい。
「2時間くらい遅れた」

 リクシャーで市場に出かけ時間をつぶして、夜10時過ぎに駅へ行った。
「また遅れた。あと4時間」

 駅構内の床には大勢の人々が毛布を敷いたり敷かなかったりして横になっているが、寒過ぎる。2階に部屋を取ってもらって2時間ほど仮眠した。深夜2時、ようやく寝台列車がやって来た。
nightstation

 ツアーで利用するのは、2Aクラス(2-tier AC)エアコン付き2等寝台だ。スーツケースを自転車用チェーンロックでベッド下の枠に固定し、上段のベッドに潜り込んだ。やれやれ。昼頃には着くよね。

 しかし、驚くなかれ、
その後、寝台列車は動いたり止まったり動いたり止まったり、丸1日ノロノロと牛のように進み、昇った陽は虚しく沈みまた夜が来て、午後9時半過ぎようやくベナレスに到着したのだった。気の短いほうではないが、日本語教師二人は呆れ果てて、言葉も出ない(しゃべってたけど)。
15時間の大遅延だ。インド悠久の時ってこのこと?

nighttrain

 何時間遅れようが、のんびり明るく待つインドの人たち。仕事に影響はないの?
半身隠れた帽子のおじさん、実は車掌だった。この後電車から親切に荷物を下ろしてくれたと思いきや、耳元で低く"money"とささやいた。ぎゃっ。これもインド的体験か。

年末インド&香港#4 ベナレスの朝2012/01/07

 Vanarasi、英語表記はBenares。ヒンドゥー教と仏教の聖地である。

 インドは暑い国と思い込んでいたが、北インドの冬は寒い。コートをしっかり着込み、マフラーを巻いて、早朝のガンジス川に出かけた。熱いチャイを飲んで、小舟に乗る。

 ガンガーの夜明けだ。少しもやがかかっている。ゆったり流れる濁った水の上に、太陽が昇る。

ganges


 舟の上から、ガートでの沐浴や火葬場などを眺める。

 もちろん暑い季節には、もっと大勢の人が沐浴するそうだ。いかにも寒そうな二人。ぶるぶる、さぶ。まいったね。

gangesbathe


 水の上を、幾つものロウソクの灯りがゆらゆらと流れていく。舟に乗る前、わたしたちも花とロウソクが入った小さな紙の容れ物を買った。火をつけてもらって、ゆっくりと流れに置こうとした時、あっ。不器用でがさつなわたしは容れ物をひっくり返してしまった。花ロウソクは逆さになって流れていく。「気にしなくていい」とクマールさんは言ってくれたが、写真を撮りながらクヨクヨする。クヨクヨ、ガンガーの上でクヨクヨする。
 降りる間際に、土産物売りの少年が乗り込んできた。幸い、花ロウソクを持っていた。もう一つ買おう。
 今度はそっと丁寧に水の上に置いた。ロウソクが明るく光りながら、ガンガーの水面を流れていく。ヒンドゥー教ではないけれど、彼岸にいる人たちのことを思った。近くにいるような気がした。
「だいじょうぶ、まだついてる」とクマールさんが言った。