ゴッホのひまわり?2011/08/04

 あいにく午前中は雨だったが、天気予報をチェックし、空が明るくなり始めた昼過ぎ、佐倉市の川村記念美術館に向かった。iPhoneを車のオーディオにつないでアラニス・モリセットを大音響で聴きながら、のんびり一人のドライヴだ。久しぶりのオフ。

 到着する頃には雨も上がり、数は少ないものの、静かな美術館でピカソ、シャガール、カンディンスキー、エルンストなどをゆっくり見ることができた。
バーネット・ニューマンの大作「アンナの光」の前で係の方に、
「ずっとこれを見ながら座っているのですか、何を考えますか」と尋ねると、アンナとはニューマンの母親であり
「わたしも母を亡くしているので、色々思い出しています」
という感慨深いお答をいただいた。ロスコの部屋もよかった。

 自然散策路を歩いた。「夏には見事です」とネットの説明にあったひまわり畑はどこ? 探していると、ヘンリー・ムーアの彫刻のある広場に、ぽつんと黄色い色を見つけた。

sunflower

 広場には、ゴッホ、ゴーギャン、マチス、モネ、4つの区画に4種のひまわりが植えられているが、今日咲いていたのは、本当にたったひとつだけだった。それはラッキーなこと?

金曜のフレデリック・バック展2011/08/12

 東京都現代美術館のフレデリック・バック展に行った。 カーナビという強い味方がありながら、またも迷路にはまり込む一人ドライブである。3辺が一方通行の木場公園をぐるぐる2周して、ようやく駐車場入り口を見つけた。ふう、今日も暑いなあ。

 作品の数に圧倒される。若い時のデッサンから始まり、カナダや旅先でのスケッチ、イラスト、商業作品、挿絵、そしてアカデミー賞受賞作を含むたくさんの映像。ひとつひとつ見ていたら、ゆうに半日かかるだろう。残念だが急ぎ足で鑑賞し、気に入ったものの前で少し立ち止まることにした。

 カナダの絵が伸びやかだと思う。祖国フランスで大戦中を過ごした後、2年間文通をしたカナダ人女性と会うためはるばる船で海を渡り、初めて会った3日後に求婚したという。その幸福感とカナダの自然が、作品の色を明るくしている。フレデリック・バック公式ページには、作品の他に自伝や写真もあり、こちらも何時間も楽しめる。

 美術展に行くと、備忘の意味もあり、必ず2、3枚の絵はがきを購入することにしている。多才で多作な画家だから代表作「木を植えた男」をはじめ本当に様々な趣向の作品があったが、私の目を引くのは、やはり先住民族の文化のようだ。
FredericBack
Credit: Frederic Back 1950


K校 初級作文・想像上の動物2011/08/13

   ルガル   ファビアン(フランス)
 ときどき、おおかみは人が化します。それからまん月のよるに、その人は おおきなおおかみにへん形します。そのよかいのなまえは「Loup-Garou」ルガル。
ルガルはくろくて、ながいかみのけあります。そしてはとしっぽはながいです。 よるにち、ルガルはにんげんにしゅりょうします。でも、あさで その人はなにもおぼいません。


   ピンコシャ   クラウディオ(チリ)
 みなみのチリは おおくのそうぞうのどうぶつがあります。チロエとうのうみにすんでいます。このどうぶつのなまえはピンコシャです。からだのうえはおんのひとです。からだのしたはさかなです。このどうぶつはうたう そして七んにんは ねるいます、


   コンコンフォクス   クリス(アメリカ)
 コンコンフォクスは 生きてないゾンビのきつねです。体が長くて、大きしっぽがあります。目が黒くてとってもこわいから、見えると動くことができません。
 コンコンフォクスはよく「コンコン...コンコン...」といいます。ときどきくらくて、こわい森で一人でさんぽしている時、しずかな「コンコン...コンコン...」を聞こえます。
 そうぞうの動物でよかったです。


   ヤウイ   カイ(オーストラリア)
 ヤウイは きたアメリカのビックフットみたいな オーストラリアのそうぞうのどうぶつです。からだはちゃいろのケがいっぱいで、にんげんみたいなかっこうですが、はしるときには あしとてではしります。にんげんをこるして たべます ^^


   人魚   シルビア(イタリア)
 私の国はイタリアです。イタリアにそうぞうのどうぶつもいます。
たとえば ゆめいそうぞうのどうぶつは人魚:女性、でもからだの半分は魚です。
きれいなどうぶつ でもとてもあぶない。
むかしむかし、人魚歌いました、ふなのりしにました。人魚うそをつきました。
男性をたべました。

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 お盆に関係なく、初級コース16人はみんなの日本語1を、汗を拭きつつコツコツ勉強中だ。W先生担当の時間に書いた作文を回していただいた。
うん、なかなかすてきな作文ですよね。
原文のまま。

K校 暑い...2011/08/16

 いやはや、暑いですねー。
猛暑にめげずというより、猛暑に身を任せて、できる範囲で無理せず、勉強しています。
 出たり入ったり、学習者入れ替わる夏の会話コース。韓国の高校生たちが帰国してしまい、現在のクラスメートは5人です。フランス、ロシア、ドイツ、アメリカ、スペイン
 ディクテーションの答を分担して板書中に「おーい、みんなー」
振り返ってもらいました。
ディレクさんが描いてくれた悟空、上手ですね。
懐かしのスーパーサイヤ人...。もうひとがんばりしましょ。

2011 summer conversation 3

マチスのひまわり2011/08/18


sunflower2011

 所用の帰りに足を伸ばしたら、川村記念美術館のひまわりが咲きそろっていた。私たちをいたぶり続けたこの2週間の暑さも、季節の植物には喜ばしいものなんですね。4種類のひまわりの中で、今日特に見事だったのが「マチスのひまわり」だ。

 出かける前たまたまiBooksの書棚を整理し、著作権フリーになった"Matisse Picasso and Gertrude Stein"というeBookをぺらぺらめくったところだった。
 実験的なスタインの文体は、同時期にマチス、ピカソが絵で表現したものに通じるわけだが、関係節が続く代名詞の多い文の流れに、正直なところ目が回りそうになる。つまり、スタインの作品はモノや事柄の表面をなぞるようで、小説全体の意味は不明なのだ。
が、そこに文を読むことと絵を見ることの、普段気づかない共通点が潜んでいるようにも思う。

追加資料:Matisse Vase of Sunflowers 1898 (エルミタージュ美術館蔵) 
matisse_sunflowers

ニューヨーク文学散歩2011/08/30


newyorkwalk
  リンダ・D・シリノ著、苅田元司訳 (朝日イブニングニュース社)

 1979年出版の本である。絶版だが、Amazonのマーケットプレイスなどで入手可能。同種の本には"Literary Landmarks of New York" Bill Morgan (Universe Publishing) などがある。

 第10次遠征隊の準備が始まった。歴史的円高で、ショッピングには絶好の時期だろう。うーん、でも何か買いたいものがあったっけ?
それより何より、08年の第6次遠征隊で見逃した場所を歩かなくては、と古い本をまた引っ張り出している。
 
 ホテル・チェルシーは前回せっせと歩いて、ロビーでホテルマンに写真も撮ってもらった。アルゴンクィンの円卓会から雑誌ニューヨーカーが創刊された、とあると行ってみたくなる。が、ホテルのサイトを調べてみるとマリオット系になっており、すっかり改装されてしまったようだ。大好きなジェイムス・サーバーやE.B.ホワイトが集った場所は、Round Table Cafeという名前で残っているだけだ。
アルゴンクィンには、ガートルード・スタインとアリス・B・トクラスも宿泊したらしい。
フォークナーやテネシー・ウィリアムズ、さらにはアップダイクも。

 今度はハーレムの文化センターに行き、ラングストン・ヒューズやギンズバーグが歩いたコロンビア大学へも足を伸ばしたいと思う。
見たい所が星の数ほどある文学的ニューヨーク。テーマを決めてかじりつく...