ムスリムについて(ほんの少し)学ぶ2008/03/09

 火曜日、パキスタン人Tさんに2時間のプライベートレッスン。教科書からどう逸れたのか、途中でイスラム教信者の基本的日常生活の話になった。コーランの教えは現世での生活を律し来世の幸福に向かうためのものだ、と言う。Tさんは都内に数多くのカレー店を展開する一族の一人だ。おだやかな人柄の芯に揺るがない信仰があるのだな、と感心する。

 木曜日、Tさんの親族の家に行く。喫茶店で教えている間はスカーフで頭を覆っていたMさんだが、自宅ではスカーフなしで、きれいな黒髪を後ろで束ねている。女の先生の前でスカーフは不要。でも男性が近くにいる場合は、たとえ父や兄弟でも、尊敬の意を表すためスカーフで髪を隠すものなのだそうだ。衣類の胸元を覆うのも身だしなみであり、素肌は、たとえ腕でも、結婚相手にしか見せてはいけない。大勢の目に晒されないよう、目以外は頭をすっかり覆うこともある。
 スカーフを取ると解放された気分になるんじゃない?と聞いてみると、全くそんなことはなく、万が一スカーフなしで男の人の前に出れば、自分が居心地の悪い思いをするだろうと答えた。ジーンズはきつくて苦しそうだから、全然はきたいと思わないそうだ。

 金曜日のG校、去年の夏教えたケーシー君がマレーシアから遊びに来ていた。誰にでも好かれる明るい学生だったから、どの先生も彼の帰国を残念がったものだ。
 同じクラスにいた台湾のマイク君、ドイツのスヴェン君も一緒に雑談する。マイクは最近、日本人のガールフレンドと別れたばかり。スヴェンもこの間振られたけど、またすぐ新しいガールフレンドができたそうだ。
「スヴェンはヨーロッパ人だから、ジャパニーズガールズはみんなステキ言います。わたしは台湾人、だめ」
「わたしはもっとだめ、ムスリムカントリーだからジャパニーズガール来ません」とケーシー。みんなちょっと複雑な気分で笑った。