N校 留試対策記述問題2007/11/06

 今度の日曜日は日本留学試験だ。N校Aクラスも、先月半ばから試験対策を行なっている。私はここ何回か記述問題を指導した。

 非漢字圏の学生も多いことを考慮し、最初は単純な課題を出した。例えば「好きなものは最初に食べる?最後まで取っておいて食べる?」とか「駅のアナウンスはあったほうがいい?ないほうがいい?」などだが、こんな内容のない問題にそう面白いことが書けるわけはない。B−、C+、C、C−答案が続出した。
 
 課題を難しくしてみた。
「人生は人のためにつくす?自分のために使う?」
何人かが説得力のある文を書いた。学生としての自分、結婚し子どもを持ってからの自分、、、チンソウさんは上手に流れを作って理由を述べた。マヘス君の地球温暖化への関連付けもよかった。
それからクリスナ君のフレーズ「ちきゅうにいちどだけじんせいだから、、、」はボビー・ケネディを思い出させた。句読点なし、段落なしだけど、A−。

 今日は「安楽死に賛成か反対か?」
ネパール組は「あんらくしー何ですか?」と初めはちんぷんかんぷんだったが、euthanasia, mercy killing 関連の質問をし、必要と思われる語彙を板書すると、どの学生も熱心に書き始めた。

 単に日本語の表現力が不十分なだけで、みな誠実で素直な若者なのだと改めて思う。怠け者や声が大き過ぎる輩も多いけどね。

G校 今日の短文2007/11/07

「〜ようにしてください」

イタリア: デートの時に かれが お金を はらうようにしてください
      けっこんしきに かのじょが お金を はらうようにしてください

スウェーデン:おうしつの ふらちな うわさを 話さないようにしてください

キャロル・キング・コンサート2007/11/13


 他に二人の(共通点のない)女性ソロシンガーも一緒というコンセプトの見えないコンサートだが、とにもかくにもキャロル・キングだ。高校時代の男友達と誘い合って、70年代を聴きに行った。
 名盤"Tapestry"のBeautifulから始まって、I Feel the Earth Move, So Far Away, Where You Lead, Will You Love Me Tomorrow?, Smackwater Jack, そしてYou've Got a Friend、新曲はWelcome to My Living Roomなど。高音は伸びないし、じょわじょわ髪は白くなっているものの、声とピアノと雰囲気はかつてのままだ。曲に浸った。

 その後のファーギーとメアリ・J.ブライジも、それぞれ小一時間歌ってくれたことを喜ぶべきだろうか。いいえ、二人のキンキン声と耳をつんざくばかりの機械音はキャロル・キングの余韻を消してしまい、とても残念だった。メアリ・J.ブライジはシャウトせずに、もっと落ち着いたR&B曲を歌えばよかったのに。
 でも我慢した甲斐あって、"3 Great American Voices"という題目通り(と言うか、つじつま合わせっぽい)、最後には三人揃ってNatural Womanを熱唱してくれた。まあ、いいとしよう、久しぶりの武道館。

G校 今日の教室2007/11/14

午前クラス
 かなしければ かなしいほど 食べます
 ビールをのめば のむほど トイレに行きます
 やせれば やせるほど かぼそくなります
 よめば よむほど あたまが いっぱいになります

午後クラス
 びょうきのともだちに「おげんきですか」といいます。
 しゃちょうのへやに はいります。「ただいま」といいます。
 しゃちょうのへやに はいります。「かんぱい」といいます。

最後の短文はドイツのマリさんの受けねらいでしたが。

ところで、廊下をすれ違う学生たちが「こんにちは、インド人」「こんにちは、コロンビア人」「こんにちは、インドネシア人」と言い合っていたのは冗談なんだろうか。
教えれば教えるほどか細くなりたいのにただ疲れて、帰りの電車で立って寝ていた水曜日。

ピアノ弾きエルトン2007/11/26


 11月21日、エルトン・ジョンのコンサートに行った。
この間??年ぶりに武道館へ足を運んだと思ったら、なぜか2週続きになった。一緒に行った妹が「大きな波が来たんだね」と言った。確かに大波だ。ザッブーンと江戸城の門をくぐる。

 エルトンは赤い燕尾服と赤い靴で登場した。1曲目の"Your Song"はファン・サービスとも言えるが、やはり彼の原点だろう。それから2時間40分を、機械操作のため立ち上がって私たちに手を振る以外は、ほとんどノンストップで弾き続け歌い続けた。すばらしい。

 バックバンドもコーラスもなく、たった一人で武道館の1万数千人を引き込んでゆく。「還暦コンサート」と称したメディアもあったらしいが、年齢など問題にしないそのエネルギーにただ感心する。私たちは曲の中に取込まれ、エルトン世界の波間を漂っているようだ。

 Daniel, Rocket Man, Don't Let the Sun Go Down on Me, Sacrifice, などよく知っている曲の間に、メッセージ性の強い曲や内省的な曲が織り込まれる。単なるポップ・アーティストではない、堂々たるピアノ弾きエルトンだった。

初上海2007/11/27

 先週22日から、某H○○の3泊4日上海ツアーに参加した。
 ツアーガイドの小旗の後ろを、30数人がぞろぞろついて歩く。劉さんの日本語に小声で訂正を入れつつ(ごめんなさい職業病です)、豫園、七宝、新天地などを見て回った。

shanghai shanghain


その他に自分でしたこと:

1、絶品紹興酒と絶望的な臭豆腐
文豪魯迅の作品に登場するというレストラン咸亨酒店で8年もの紹興酒をいただき、ずっと気になっていた臭豆腐を突っついた(下の唐揚げ風の写真)。いや、最初はちゃんと食べるつもりだったのだが、臭豆腐とは口に入れるのが精一杯の恐ろしべき発酵食品だった。神保町の店は姉妹店?

2、東方明珠塔に上った。
タワーの案内係はどうも自分の仕事をきちんと認識していないらしい。列をこなしきれず効率悪く、客の不満がつのった。北京オリンピックは大丈夫?

3、リニアモーターカーに乗った。
最高時速430km/h。空港までの30kmを7分で走る。2分半で加速し、400キロ以上で2分走り、2分半で減速する。往復80人民元(日本円で約1200円)。市内の地下鉄は4元〜6元程度だからか、乗客に中国人はいなかった。

4、上海博物館に行った。
青銅器、古代彫刻、陶磁器の展示物に見とれる。少数民族工芸館の極彩色の舟には、ネイティヴ・アメリカンのものと共通の特徴が見られた。

5、地下鉄に乗った。
噂通り、降りる人を待たずに乗り込んで来る人々、パワフルである。列車内に物乞いの女の子がいた。哀れっぽい表情で紙コップを差し出し、お金を恵んでもらっていた。
ホテルでもらった路線図と駅名が変わっており、戻るのにちょっと苦労した。

6、豫園商城で「蜻蛉」の印鑑を作った。

7、足裏マッサージ
日本軍が中国を侵略するドラマを見ながら、マッサージしてもらう。ドラマのせいではないだろうが、80分間に「いたたたた!」と叫び出したいことが30回。しかしこの20代の青年には日本語も英語も通じず、我慢する。「こんにちは」「ありがとう」「さようなら」を教える。

 今回「上海へ行ってみたい」と言い出したのは夫である。「つき合ってあげるね、ちょうど誕生日だし」と旅行をプレゼントさせ(使役)、久しぶりのアジア行きとなった。悪妻の上にも、良妻の上にも、時間は平等に容赦なく過ぎていく、、。

shanghai shanghaist

G校 ヘンリクの羊サンドイッチ2007/11/28


 一人ずつ、得意料理のレシピを書いた。
「まず、つぎに、それから」などの接続詞を使って、手順を説明する。ヘンリクの「羊サンドイッチ」はおいしいかな?(クリックで拡大)
「食べろ」は「食べよう」の間違いではないそうである。