Japanese-woman-flower-garden-crushing-car2006/07/23

 プリンス・エドワード島に住むカナダ人夫妻の家に滞在したのは、01年の夏だ。 同行した娘は中学生で、50代だが白髪のTを日本語で「じいさん」と呼んだ。仕事のない時間に、Tは私たちを島のあちこちへ連れて行ってくれた。グリーン・ゲイブルスとモンゴメリーゆかりの場所を回った後は、船に乗ってロブスター漁を体験したり、Tのお嬢さんが所有する競争馬のハーネスに乗せてもらったりした。(PEI旅行記はここ

 慣れた頃、Tの車を借りてシャーロットタウンから東のキングス地区をドライブした。その当時Tの車はトヨタのマニュアル車で、ひゃー、ギヤってどうやって切り替えるんだっけ? 坂道をずり下がったりしながら、海辺の町を走った。 オーウェル歴史村近くのクラフトショップで木製の小さい灯台を買い、街道へ戻ろうとした時だ、、、ゴツン、ゴツン、、 あれれー、なぜか車は石に乗り上げ、そのまま花壇を押しつぶしてしまった。 店へ戻り事情を話して謝ると、女主人が外へ飛び出し、 「おお、私の哀れなお花たち!」 本当にごめんなさい。駐車場は広かったのに、どうしてあんな所へ突っ込んでしまったのかな。

 幸い車には何の影響もなく、帰宅後その出来事を話すと、Tと奥さんは大笑いだった。 すっかりその話が気に入ったTは、それ以来時々、自分の車を "Japanese-woman-flower-garden-crushing-car" と呼んでいる。

 この写真は、Tの新しい車だ。メールによると "easy for you to drive .. automatic and it also LOVES flower gardens!! hahaha."

 あれから5年たつ。奥さんのLと、私たちが帰ると駆け寄って来たシェパードのリンジーはいなくなってしまった。3週間の滞在最終日に見た大きな虹を思い出す。

ハサミムシ2006/07/24

 
 細々と暫定公開中のアサブロですが、古巣に戻ったような居心地のよさも感じています。パソコン通信時代からの利用ですからね。
ただ、もう少しスタイルシートにバリエーションがあるといいんだけど。

 さて、きょうのハサミムシ earwig です。描いたのはプライベートレッスンの生徒、アレックス。カナダにいる虫で、ゴキブリに匹敵する嫌われ者らしい。
本物はどういう形なのだろうか。

 今日は他動詞
「テレビがついていますよ」
「いえ、あれはつけてあるんです」

 その後、なぜ初めて和式トイレを見てびっくりした話になったのか、
うーむ、もう思い出せません。

ケンブリッジ・クインテット2006/07/27

 
 図書館から借りた本を読み終わると、表紙の5人がそれぞれの言葉で語りかけてくるような気がした。刺激的な実験小説だ。注文しなくちゃ、とamazonへ行ったら絶版だったけど。

 「その後」に書かれていた1997年のチェスチャンピオン・カスパロフ対IBMコンピュータ・ディープブルー対局にあることを思い出し、本棚の奥を探した。引っ張り出したのは「チェス人形タークの生涯」(A History of Chess by Jerzy Gizyckiから) のコピーだ。
 1760年頃オーストリアの女帝マリア・テレサの命により作られたチェスをする自動人形タークは、実のところまやかしではあったが、ナポレオンを敗り、E.A.ポーの短編のテーマになり、1920年代には映画も作られたとある。

 「ケンブリッジ・クインテット」の設定は1949年だ。実際にコンピュータが進化し、人間と能力を競い合うまでには40年近くかかったということか。
この辺り、ネット上ではディープブルーの解説しか見つからなかったが、手元には1978年にボビー・フィッシャーがMITのグリーンプラットというチェス・マシーンに3勝したという資料もある。

 機械は人間の知性を超えるか、という命題はいつでも魅力的だ。物理学者、数学者、遺伝学者、哲学者の議論に心底引き込まれた。

 ところで、作者はヴィトゲンシュタインが好きじゃないんでしょうか。かなり損な役回りでしたね。

食べるべ2006/07/28

 週に1度だけ担当している夏の会話2クラスには、10ケ国20人の学生がいる。
今日は意向形/意志形  のもう/みよう/しよう の導入だ。
使い方のひとつは「Vましょう」(誘う)の友だち会話版
「お腹がすいたね」
「そうだね、あの店で食べようか」

「たべるべ」
クリスが発言した。食べるべ、かあ。確かに意向形だ。
金髪を後ろに束ねたこの青い目のスウェーデン人によると、鎌倉の友だちに教えてもらったそうである。「動詞辞書形+べ」は(北)関東弁意向形、ハンサムなクリスに似合わないところがいいですね。